2017年6月号掲載

成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学

Original Title :Success and Luck:Good Fortune and the Myth of Meritocracy

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著者紹介

概要

努力と才能が成功をもたらす。多くの人は、こう思っているのでは? だが、それは幻想だ。才能があり、努力をしても、成功するのはごく一握りの人。明暗を分けるのは「運」や「偶然」だという。この運や偶然の重要性について、経営者の所得から、名画「モナ・リザ」、音楽のヒット曲まで、様々な事例を交え、わかりやすく説く。

要約

なぜささいな偶然が重要なのか

 私が“運”に関心をもつようになったのは、偶然の出来事が私の人生に大きな影響を与えているからだ。

 2007年11月のある朝。友人とテニスをしていた私は、気分が悪くなり倒れた。私は息をしておらず、友人は「救急車を!」と叫び、心臓マッサージを始めた。その後すぐに、救急車が到着した。

 なぜそんなに早かったのか?

 偶然にも、少し前に近くで2件の自動車事故が起こり、2台の救急車が出動した。そのうち1件の事故では重傷者がいなかったため、そこから私のもとに来ることができたのだ。

 後に医師から聞いたところ、急性心不全だった。患者の98%は亡くなるというから、私が今生きているのはただの偶然だと思う。

 何年か前、新聞の連載コラムに、「ささいな偶然のような出来事が人生を大きく左右することは、想像以上に多い」と書いた。すると、読者から激しい批判が寄せられた。大半は、成功は才能と努力のみの結果だと主張する人たちからだった。

 もちろん、才能と努力は重要だ。だが、社会の競争は熾烈で、才能と努力だけでは勝てない。ほとんどの場合、運の強さは必須である。

なぜ「モナ・リザ」は世界一の名画なのか

 物事が起こった後、それが予測可能だったと考える傾向を、心理学で「後知恵バイアス」と呼ぶ。

 だが、現実にはすべての出来事は、小さな出来事が複雑に絡み合った結果だ。前の出来事が少しでも変われば、すべてが全く違うものになる。

 ワッツは、世界一有名な絵画「モナ・リザ」を例にこれを説明している。

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