2024年4月号掲載

生成AI革命 社会は根底から変わる

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著者紹介

概要

まるで人間のように受け答えをするAIサービス、“ChatGPT”の登場以来、注目を集める「生成AI」。この新たな技術がもたらすものとは? 情報経済論の大家・野口悠紀雄氏が、生成AIの現状、そして仕事への影響など、社会の大変動を見通した。氏は言う。「これからの時代、人間の知的活動は、まったく違うものになる」と。

要約

ChatGPTはどのように使われているか?

 ChatGPTなど「生成AI」と呼ばれる新しい技術が登場し、利用が急速に広がっている。AI(人工知能)が人間の自然言語を理解し、質問や指示に対して的確な答えを返せるようになったのだ。

 この活用によって、人間の知的活動は、これまでとはまったく違うものになる。

ChatGPTの使い方をアンケート調査で見る

 では、生成AIはどのように使われているか?

 それを調べるため、アンケートを行ったところ、「外国語の資料の翻訳」と「長い文章の要約」が多かった。

 私も、外国語論文の翻訳と要約では、ChatGPTに大きく依存している。特に、長い論文の要約が得られるのは大変便利だ。翻訳と要約で読むかどうかを判断し、価値があるとわかれば読む。これによって、私の情報収集能力は大いに増強した。

 これまで、言葉の壁は日本人にとって大きな問題だったが、ChatGPTによってそれが低くなった。

私はChatGPTをどのように使っているか?

 次に、私がChatGPTをどのように使っているかを説明しよう。それは、主として次の2つだ。

①文章の校正

 文章を作成する作業は、スマートフォンの音声入力から始まる。30分くらいで2000字程度の文章ができる。問題は、このようにして作ったテキストには、誤変換が多く含まれていることだ。

②文献や資料の収集、要約、翻訳

 第2の用途は、資料収集だ。ChatGPTに直接聞くと、間違った答えを出す可能性がある。しかし、ウェブ記事を読ませればその心配がない。そこで、例えば次のように進む。

  • ・***の問題を分析したレポートで、アメリカの大学や研究機関によるものを提示させる。
  • ・提示された資料の中から、いくつかを指定し、翻訳と1000字程度の要約を求める。
  • ・読む価値があると判断した資料について、全文を翻訳させる。

「ハルシネーション」と能力の限界に注意

 生成AIをどの程度使えるかは、仕事の内容によってずいぶん違う。ただ、どんな仕事であっても、次の2点に注意する必要がある。

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