TOPPOINT 大賞

2024年上半期
TOPPOINT大賞
発表いたします。

TOPPOINT 大賞
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、2024年1月号~6月号で紹介しました60冊の中から、ビジネスリーダーの方々を中心とする1万名以上の定期購読者を対象とした定例の読者アンケートを行い、2024年上半期「TOPPOINT大賞」(第40回)を決定いたしました。 「TOPPOINT大賞」以下、ベスト10冊を発表いたします。
戦略の要諦

2024年2月号掲載戦略の要諦

“戦略の戦略家”と称される著者いわく、「戦略の策定とは意思決定でも目標設定でもない。長期的ビジョンも要らない」。それは、克服可能な最重要ポイントを見極め、解決法を見つけることだと述べ、その手順を論じる。多彩な事例を引きつつ、戦略についての経営陣の誤解を解きほぐし、すべきことを説いた500頁超の大著である。
著者リチャード・P・ルメルト
訳者村井章子
出版社日経BP・日本経済新聞出版
発行日2023年11月
定価2,420円

読者のコメント

  • 昨今のコーポレートガバナンスコードに安易に流されず、顧客価値創出の為の勝ち筋(どうやったら勝てるか)を探求する姿勢がすがすがしく、市場競争でどう生き残るかについての示唆に溢れていると感じました。(40代・男性)
  • 自社経営戦略に近い意見として、本書を協力業者に提示しながら差分を補足することで、プロジェクトのコンセプトワークに役立てることができた。(50代・男性)
  • 表紙に書かれていた「ミッション・パーパスは無意味である」というこの言葉が一番自分に刺さった。この本を読むことで納得した。(40代・男性)
  • 戦略策定の部署への異動とほぼ同時期に読み、書籍を購入しました。(男性)
  • 『良い戦略、悪い戦略』もよかったが、今回の『戦略の要諦』も参考になった。今はビジョンという言葉がもてはやされているが、本当の戦略がそこにはないことをはっきりと指摘してくれていて、自分の考えに間違いなかったと思っている。(60代・男性)
  • 目標と戦略は違うことは頭でわかっていても、実行に移す時には重ね合わせてしまいがちになる。両者を明確に分けて論じているこの本は戦略について考える時に繰り返し読むことになりそうです。(50代・男性)
  • この半年で一番良かった本です。流行りに流されない戦略策定の方法を教えてくれました。(40代・女性)
  • 戦略の大家による戦略の決定版。これは大変参考になりました。(60代・男性)
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編集担当者コメント

  • 「ビジョン、ミッション、パーパスを組織に浸透させれば業績が回復する」などと助言する本が書店を席巻する昨今にあって、「戦略」の本流を問い直した『戦略の要諦』を「TOPPOINT大賞」にご選出いただきましたことに、深く御礼申し上げます。
    多くの企業は目標を設定してから、そこに至るまでの計画を「戦略」と呼んでいます。これでは順序が逆であり、「戦略の策定」とは「克服可能な最重要ポイントを見きわめそれを解決する方法を見つけること」なのだと著者は喝破します。不適切な目標への戦略は、ただの空疎な作文であり、当然実行できません。本書第5部「戦略ファウンドリー」では実際に戦略策定をどう行うべきかについて詳説しています。前作『良い戦略、悪い戦略』も併せてお手にとっていただければ幸いです。
    日経BP 金 東洋

著者紹介

著者紹介
  • Richard P. Rumelt

    戦略論と経営理論の世界的権威。ハーバード・ビジネススクールにて博士号取得。UCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメント名誉教授。

漂流する日本企業 どこで、なにを、間違え、迷走したのか?

2 2024年3月号掲載漂流する日本企業 どこで、なにを、間違え、迷走したのか?

「失われた30年」の間、日本企業は伸び悩んでいる。原因は、戦後の成長を支えた“経営の原理”を忘れたこと! すなわち、積極的な設備投資や人材投資で企業を成長させ、結果的に株主にも報いる、という姿勢が失われた。この「従業員主権経営」の復権を、日本企業研究の第一人者が説き、株主偏重の今の経営に警鐘を鳴らす。
著者伊丹敬之
出版社東洋経済新報社
発行日2024年1月
定価2,640円

読者のコメント

  • ●なぜ日本企業が失われた30年から脱することができていないのかを客観的データを使って説明し、事業に対する投資の積極化を訴えていると思います。ただ、ここにアングロサクソン流のガバナンス改革を日本企業の実態や強みを無視して推し進めたことに対する鋭い批判もして頂きたかったと思います。(男性)
  • ●従業員第一主義から株主第一主義になることで低迷してしまった日本企業の内容を理解することができました。表面だけのESでは何も変わらない。経営層に読んでいただきたい本です。(50代・男性)

著者紹介

伊丹敬之(いたみ ひろゆき)

一橋大学名誉教授。1945年愛知県生まれ。一橋大学商学部卒業。カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了(Ph.D.)。2017年~2023年国際大学学長を務める。2023年10月、経営学の分野で初の文化功労者に選ばれる。著書に『経営学とはなにか』(日本経済新聞出版)など。
静かな働き方 「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す

3 2024年3月号掲載静かな働き方 「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す

今米国で、仕事を生きがいと考える「ワーキスト(仕事主義者)」が増えている。なぜそうなったのか。本書は、仕事に対する思い込みが仕事主義を加速させていると指摘。元仕事人間たちへの取材から、仕事に「意味」を求めすぎると過重労働や燃え尽き症候群に陥ると警告する。働き方を見直すきっかけを与えてくれる1冊である。
著者シモーヌ・ストルゾフ
訳者大熊希美
出版社日経BP・日本経済新聞出版
発行日2023年12月
定価2,090円

読者のコメント

  • ●働き方改革があちらこちらで求められています。自分の働き方はどうなのか、再び問い直すきっかけになります。(50代・男性)
  • ●自身の仕事に対する価値観が根本から変わったため。「あなたがもしそうすることを誰にも言えないとしても、本当にそうしたいと思うかい」(あいまい)という言葉が出てきますが、今の自分の人生の選択にとって大切なキーワードになっています。(20代・男性)

著者紹介

Simone Stolzoff

ジャーナリスト、デザイナー兼働き方研究者。ペンシルベニア大学卒業、スタンフォード大学大学院でジャーナリズムを学ぶ。IDEOの元デザインリード。「ニューヨーク・タイムズ」など、多くの媒体で記事を執筆してきた。
人はどう老いるのか

4 2024年1月号掲載人はどう老いるのか

誰にも必ず訪れる「死」。その時までどう年を重ね、老いていけばいいのか。長年、高齢者医療に携わる医師が、上手に、そして楽に老いるコツを語る。認知症予防として確実に有効なものはない、がん検診は無駄、死が迫ったら何もせずに受け入れる…。老いや死を迎える上で心得ておくべきことを示した、新しい「老い方」の教科書だ。
著者久坂部 羊
出版社講談社(講談社現代新書)
発行日2023年10月
定価1,012円

読者のコメント

  • ●これからの時代の老いや死を考えるきっかけになる良い指南書だと思いました。(男性)
  • ●新しい老い方と人生の大切なことに気付かされました。(70代・男性)
  • ●久坂部羊の著書は他の書籍も感心して読んでいます。臨床医師の経験は大事。(男性)
  • ●前期高齢者になり終活問題。(60代・男性)
  • ●視点がいい(60代・男性)

著者紹介

久坂部 羊(くさかべ よう)

1955年大阪府生まれ。小説家・医師。大阪大学医学部卒業。大阪府立成人病センター(現・大阪国際がんセンター)で麻酔科医、神戸掖済会病院で外科医、在外公館で医務官として勤務。2014年『悪医』(朝日新聞出版)で第3回日本医療小説大賞を受賞。
本を読むだけで脳は若返る

5 2024年3月号掲載本を読むだけで脳は若返る

読書は脳を活性化させる! 脳科学者の川島隆太氏が、読書がもたらす効用を、研究結果を示しつつ説く。本の中身や種類は関係ない、デジタルより紙媒体の方が効果的、音読で認知症の症状が改善…。驚きの事実を明かすとともに、スマートフォンの使用が脳に及ぼす弊害にも触れる。スマホを置いて、今すぐ本が読みたくなる1冊だ。
著者川島隆太
出版社PHP研究所(PHP新書)
発行日2023年12月
定価990円

読者のコメント

  • ●「読書は脳の全身運動になる。読書は、紙媒体で行った方が、文章理解力が向上しやすい。また、黙読するよりも『音読』する方が、脳の、より広い場所が活性化する」という内容が、心に大きく響いた。(80代・男性)
  • ●「スマホを操作している時間は脳が抑圧され、ぼーっとしている時より脳の活動が低下している」という研究結果に驚愕しました。スマホとの付き合い方、読書の有用性を再認識できる良書だったため。(20代・男性)
  • ●本を読む楽しみが増しました(男性)

著者紹介

川島隆太(かわしま りゅうた)

東北大学教授・医学博士。1959年、千葉県生まれ。東北大学医学部卒業後、同大学院医学研究科修了。現在、同大学加齢医学研究所教授、スマート・エイジング学際重点研究センター教授。著書に『スマホが学力を破壊する』(集英社)などがある。
直観脳 脳科学がつきとめた「ひらめき」「判断力」の強化法

6 2024年6月号掲載直観脳 脳科学がつきとめた「ひらめき」「判断力」の強化法

「直観」というと、ともすると論理と対立するもので、根拠も説得力もないとみられがち。しかし、最新の研究によれば、脳の高度な思考から生まれるのが、直観だという。そのメカニズム、優れた直観を得るために心がけるべきことを、脳の専門医が科学的に解説した。著者いわく、「直観と論理は、決して対立するものではない」。
著者岩立康男
出版社朝日新聞出版(朝日新書)
発行日2024年3月
定価957円

読者のコメント

  • ●自身に必要なもの。現場対応があり、即断即決の比重が多い。優れた直感に引かれた。(40代・男性)
  • ●直観を引き出す参考になった。(60代・男性)
  • ●他の書籍にない視点をもっている本(60代・男性)

著者紹介

岩立康男(いわだて やすお)

1957年生まれ。千葉大学脳神経外科学元教授、現在は東千葉メディカルセンター・センター長。千葉大学医学部卒業後、脳神経外科の臨床と研究を行う。主な著書に『忘れる脳力』(朝日新聞出版)がある。
罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法

7 2024年4月号掲載罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法

増える業務量、縮む給与差、高い死亡率。今の日本では、管理職として働くことが「罰ゲーム」と化している。働き方改革の恩恵も得られず、管理職の負担はむしろ増えているとのデータもある。彼らはなぜ、こうした苦境に陥ったのか? その原因を、国際比較を含む多数のデータで分析。疲弊する現場を救うための解決策を示す。
著者小林祐児
出版社集英社インターナショナル(インターナショナル新書)
発行日2024年2月
定価1,012円

読者のコメント

  • ●プレイングマネージャーとは名ばかりで、プレイヤー100、マネージャー100となってしまっている世の中。自社での管理職の退職が非常に増えてきました。いまだ若者層に対してOneOnOneが重要だと(それはそれで重要なのですが)言っており、管理職に押し付けている実態がよくわかりました。これも経営層に読んでいただきたい本です。(50代・男性)

著者紹介

小林祐児(こばやし ゆうじ)

パーソル総合研究所上席主任研究員。上智大学大学院総合人間科学研究科社会学専攻博士前期課程修了。労働・組織・雇用に関する多様なテーマについて調査・研究を行っている。専門分野は人的資源管理論・理論社会学。単著に『早期退職時代のサバイバル術』(幻冬舎)、『リスキリングは経営課題』(光文社)、共著に『残業学』(光文社)、『働くみんなの必修講義 転職学』(KADOKAWA)など多数。
ポリティカル・スキル 人と組織を思い通りに動かす技術

8 2024年6月号掲載ポリティカル・スキル 人と組織を思い通りに動かす技術

組織に「政治」は欠かせない! 無能な上司に手を焼いたり、仕事のできない部下にイラついたりするのは、「ポリティカル・スキル」―― 組織スキルを持っていないから。本書は、人と組織を思うがままに動かし、自分の目標を達成し、評価を高める方法を明かす。著者は、長年、コンサルタントとして活躍する組織心理学者だ。
著者マリー・マッキンタイヤー
訳者桜田直美
出版社SBクリエイティブ
発行日2024年3月
定価1,980円

読者のコメント

  • ●組織内での政治的駆け引きというのはやりたくないのが本音だが、最低限の気配りはしておいた方がよいのかなと思わされた。(40代・男性)
  • ●グローバル化する企業で働く上で、漠然と考えていたことがきれいに整理できた。(男性)

著者紹介

Marie G. McIntyre

ワークプレイス心理学者。自身のウェブサイトを通じて国際的に活動するキャリアコーチ。『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙など、様々なビジネス出版物でキャリアに関するアドバイスを執筆。
静かに退職する若者たち 部下との1on1の前に知っておいてほしいこと

9 2024年4月号掲載静かに退職する若者たち 部下との1on1の前に知っておいてほしいこと

「大丈夫です」「頑張ります」。普段の会話や1on1ミーティングでそう答えていた若手社員が、突然退職 ―― 。近年、こうした事態に直面する上司が少なくない。今の若者はいったい何を考えているのか? まじめで何事もそつなくこなすが、決して本音は明かさない。そんな「いい子症候群」とも言うべき彼らの実像を描き出す。
著者金間大介
出版社PHP研究所
発行日2024年2月
定価1,870円

読者のコメント

  • ●退職する人は本心は言わないと思っている。しかし部下が退職した場合、どうしてだろうと考えて、自分なりの考えと反省をするようにしている。また、やめないように、というのが難しいと感じており、その中で「フィードバック5原則」は参考すべきと強く感じさせられるものだった。(40代・男性)

著者紹介

金間大介(かなま だいすけ)

金沢大学 融合研究域融合科学系 教授。東京大学 未来ビジョン研究センター 客員教授。一般社団法人日本知財学会 理事。
マインドフル・ボディ ハーバード大学の人気教授が教える意識で身体を変える方法

10 2024年3月号掲載マインドフル・ボディ ハーバード大学の人気教授が教える意識で身体を変える方法

人は「マインドフル」である時、制約から解放され、自由な精神と健康を得ることができる ―― 。“マインドフルネスの母”と呼ばれるハーバード大学教授が、長年の研究を基に、心と身体の驚くべき関係を解明。生存年数や記憶力、病気の進行などに、心の状態が大きく影響を与えることが、興味深い事例とともに示される。
著者エレン・J・ランガー
訳者高橋由紀子
出版社徳間書店
発行日2023年11月
定価1,925円

読者のコメント

  • ●「思考は物理的な身体にも直接的な影響を及ぼす」というテーマをファクトを用いて語るという点が、今までのマインドフルネス系の著者と明確に違っており、興味深かったため(20代・男性)
  • ●マネジャーとして体調管理が一番重要と感じる今、必要な本と感じました。(男性)

著者紹介

Ellen J. Langer

ハーバード大学において心理学のテニュアを取得した初の女性研究者。現在も同大学教授。世界中で「マインドフルネスの母」「ポジティブ心理学の母」として知られている。

2024年上半期「TOPPOINT大賞」は、多くの読者の方々にご投票いただいた結果、上掲のようなラインナップとなりました。「TOPPOINT大賞」の発表は、今後も半期毎に行ってまいります。読者の皆様には、ぜひ、積極的にご投票いただき、「一読の価値ある」ベストビジネス書の選考にご協力いただければ幸いです。

【選考方法】
月刊誌『TOPPOINT』の定期購読者を対象にアンケートを実施。本誌2024年1月号~6月号で紹介した書籍60冊の中から、「この本は良かった」「役立った!」と思われる3冊に投票していただいた。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「TOPPOINT大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出した。

2024年上半期
『TOPPOINT大賞』
書店フェアのお知らせ

2024/7/25

 本賞の決定に伴い、丸善ジュンク堂書店・文教堂・未来屋書店の主要大型店47店舗にて「TOPPOINT大賞受賞書籍フェア」を開催いたします。フェアでは、ベスト10冊に選ばれた各書籍を、その書籍の読みどころや読者のコメントを記したPOPと並べて展開。また、本賞の概要を紹介した小冊子(無料)も配布します。開催期間は、8月1日(木)より1ヶ月間の予定です。
 開催店舗は下記のとおりです。ぜひお立ち寄りください。

前回のフェアの様子(2023年下半期)

  • ジュンク堂書店 池袋本店
    ジュンク堂書店 池袋本店
  • 丸善 名古屋本店
    丸善 名古屋本店
  • 丸善 京都本店
    丸善 京都本店
  • 丸善 仙台アエル店
    丸善 仙台アエル店
  • 文教堂 赤羽店
    文教堂 赤羽店
  • 未来屋書店 新瑞橋店
    未来屋書店 新瑞橋店
  • ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店
    ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店
  • ジュンク堂書店 三宮駅前店
    ジュンク堂書店 三宮駅前店