TOPPOINT 大賞

2021年下半期
TOPPOINT大賞
発表いたします。

TOPPOINT 大賞
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、2021年7月号~12月号で紹介しました60冊の中から、ビジネスリーダーの方々を中心とする1万名以上の定期購読者を対象とした定例の読者アンケートを行い、2021年下半期「TOPPOINT大賞」(第35回)を決定いたしました。 「TOPPOINT大賞」以下、ベスト10冊を発表いたします。
パーパス経営 30年先の視点から現在を捉える

2021年7月号掲載パーパス経営 30年先の視点から現在を捉える

今後、世界を動かすのは「カネ」ではない。「志(パーパス)」である ―― 。資本主義が綻びを見せる中、近年、ESG(環境・社会・統治)やSDGs(持続可能な開発目標)が注目されている。だが、これらは経営戦略としては不十分だと指摘。高い志に基づく「志本主義」と、21世紀型の成長を実現する「新SDGs」の考え方を説く。
著者名和高司
出版社東洋経済新報社
発行日2021年5月
定価3,080円

読者のコメント

  • これからの経営には利益追求のみならず、環境面も重視した経営が重要であると腹落ちした。(50代・男性)
  • 私共の会社が、地域社会から必要とされるためには、どのような経営を目指すべきなのか考えさせられました。(50代・男性)
  • 資本主義の次に来るものに関心があったので、志本経営、論語と算盤、新SDGsが、次のヒントとなった。(60代・男性)
  • 自分の人生は「志」から始まって「カネ」、後半は「志本主義」と、自分にいいきかせていた。現在の混迷から抜け出せる世の中をつくりたい。(60代・男性)
  • パーパスの重要性はより増している。DXで、両利きの経営などでも新規ビジネスがパーパスにそっているかを確認しながら活動する。また、何のために働くのか、活動するのかが最も重要。ただし、SDGsではないが、社会の課題、地球の課題を解決するしか、もう残されていないぐらいの切迫感があれば、もっと良かったと思います。(60代・男性)
  • 今、最も求められている資本主義の先となりうる考え方と思います。(60代・男性)
  • 志に関する重要性が解かれており、新鮮だった。(60代・男性)
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受賞に寄せて

  •  この度は素晴らしい賞をいただき、心から御礼申し上げます。
     「パーパス」が新しい時代のキーワードとして、世界中で注目を集めています。わたしはそれを「志」と読み替えています。「志」は「士」、すなわち道を究める者の「心」と書きます。そしてそれは、日本が古来、大切にしてきた一人一人の崇高な思いにほかなりません。
     変化が常態化する中では、変化を先取りし、みずから変化することに喜びを感じられる企業だけが生き残るでしょう。本書を参考に、一人でも多くの皆様が、自分ならではの志(パーパス)を北極星として高く掲げ、大きく一歩踏み出し(ピボット)ていかれることを、心から願っております。

著者紹介

著者紹介
  • 名和高司(なわ たかし)

    一橋大学ビジネススクール客員教授。東京大学法学部卒業。ハーバード・ビジネススクールにてMBA取得。2014年より、30社近くの次世代リーダーを交えたCSVフォーラムを主宰。主な著書に『CSV経営戦略』(東洋経済新報社)、『経営改革大全』(日本経済新聞出版社)他。

LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる

2 2021年10月号掲載LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる

自然は人間に、舌1つと耳2つを与えた。自分が話すその倍は、人の話を聞くようにと ―― 。これは古代ギリシャの哲人の言葉だが、「聞くこと」は大切だ。人を理解し、人間関係をよくするための土台となる。だが、相手の意見などお構いなし、という人は多い。失われつつある「聞く力」の重要性と、その身につけ方を本書は説く。
著者ケイト・マーフィ、篠田真貴子(監訳)
訳者松丸さとみ
出版社日経BP
発行日2021年8月
定価2,420円

読者のコメント

  • ●「質問力」が重要と言われるが、その質問に対する答えに「聞く力」がなければ意味がないため、「聞く力」の重要性が必要だと理解した。(60代・男性)
  • ●話し下手であるので聞く能力を伸ばしたいと考えているため、タイトルからして読みたい本でした。身になる言葉が多いですが、実践して自分の物にしたいです。(30代・男性)

著者紹介

Kate Murphy

ヒューストンを拠点に活動するジャーナリスト。ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、エコノミスト、AFP通信などで活躍。健康、テクノロジー、科学、デザイン、アート、ビジネス、金融、ファッション、旅行など、多岐にわたるトピックを執筆。
稲盛と永守 京都発カリスマ経営の本質

3 2021年11月号掲載稲盛と永守 京都発カリスマ経営の本質

京セラとKDDIを創業し、JALを再建した稲盛和夫。日本電産を創業し、成長させ続ける永守重信。2人のカリスマ経営者の経営モデルを掘り下げると、共通点が見えてきた。世間の風潮に流されず、独自の哲学や信念を貫いているのだ。これを「盛守経営」と名づけた著者がその本質に迫り、これからの経営のあるべき姿を示す。
著者名和高司
出版社日経BP・日本経済新聞出版本部
発行日2021年8月
定価1,760円

読者のコメント

  • ●優秀な経営者である両名の共通点を題材にパーパスとプロフィットの価値を分かりやすく書かれている。(60代・女性)
  • ●経験的事実に基づく成功事例でありながら、成功事例の裏側にある思想に触れることができると感じた(30代・男性)
  • ●二人の偉大な経営者の哲学や信念に触れることができた。(60代・男性)

著者紹介

名和高司(なわ たかし)

一橋大学ビジネススクール国際企業戦略専攻客員教授、京都先端科学大学客員教授。東京大学法学部卒業、ハーバード・ビジネススクール修士。主な著書に『CSV経営戦略』『パーパス経営』(東洋経済新報社)、『経営改革大全』(日本経済新聞出版)などがある。
日本大空襲「実行犯」の告白 なぜ46万人は殺されたのか

4 2021年11月号掲載日本大空襲「実行犯」の告白 なぜ46万人は殺されたのか

死者、1年弱で約46万人。太平洋戦争末期、アメリカによる無差別爆撃で奪われた命だ。もはや敗色が濃い日本を、なぜここまで徹底的に痛めつけたのか? 背景にあったのは、当時のアメリカ航空軍の“野望”だった! NHKの総力取材をもとに、これまで謎に包まれていた「日本大空襲」の真相を明らかにする。
著者鈴木冬悠人
出版社新潮社(新潮新書)
発行日2021年8月
定価836円

読者のコメント

  • ●まだ周知されていない歴史的事実に触れることで、歴史観を刷新することができるような情報であると感じた(30代・男性)
  • ●組織維持、つまり自己保身のための悲劇。会社でもそんなことが起きているのでは…。(男性)
  • ●「世界中の人々が狂気的行動を肯定していた…」と言ってしまわず、その当時の人の気持ちを察することが大切、と改めて思った。(60代・男性)

著者紹介

鈴木冬悠人(すずき ふゆと)

1982年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。NHKグローバルメディアサービス報道番組部ディレクター。主な制作番組は「なぜ日本は焼き尽くされたのか」「よみがえる悪夢」など。
監視資本主義 人類の未来を賭けた闘い

5 2021年9月号掲載監視資本主義 人類の未来を賭けた闘い

グーグルは、人間を操り人形にする ―― 。今日、生活に欠かせないデジタル機器は、あらゆる行動データを巨大IT企業にもたらす。そして、私たちの行動は監視され、操られてさえいる。これを「監視資本主義」と名付けた著者が、現状を説き、未来を見通した。ハーバード・ビジネススクール名誉教授の手になる世界的ベストセラー。
著者ショシャナ・ズボフ
訳者野中香方子
出版社東洋経済新報社
発行日2021年7月
定価6,160円

読者のコメント

  • ●「グーグルは人間を操り人形にする」これがインパクトのあるものとなり手にとったが、内容をみて実感し、同じ気持ちになることがあり今後の対応方法に助言を与えられたのでよかったものとなった。(60代・男性)
  • ●監視することは善に近いのか悪に近いのかと考える上で参考になる。監視を行っている側の人の主張を聞いてみたいと思った。(60代・男性)

著者紹介

Shoshana Zuboff

ハーバード・ビジネススクール・チャールズ・エドワード・ウィルソン名誉教授。シカゴ大学にて心理学の学位を、ハーバード大学にて社会心理学の博士号を取得。
決定版 デジタル人民元 世界金融の覇権を狙う中国

6 2021年11月号掲載決定版 デジタル人民元 世界金融の覇権を狙う中国

2022年2月、北京五輪での披露が見込まれるデジタル人民元。だが、その仕組みや発行の狙いはいまだ謎に包まれたまま。それは、デジタル人民元が中国の国家戦略と深く関わっているからに他ならない。米国の通貨・金融覇権に挑戦し、「人民元通貨圏」を形づくる ―― 。そうした中国の目論見を、元日銀審議委員が徹底解説する。
著者木内登英
出版社東洋経済新報社
発行日2021年9月
定価1,870円

読者のコメント

  • ●今後10年のビジネスを考えるにあたって欠かせない大国中国の思想を仮想通貨を通して読む価値がそこにあると感じた。(40代・男性)
  • ●世界の状況を大きく変えうる内容と思えて今後も注目してゆきたい。(60代・男性)

著者紹介

木内登英(きうち たかひで)

野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト。1963年生まれ。1987年早稲田大学政治経済学部卒業、同年野村総合研究所入社。1990年野村総合研究所ドイツ、1996年野村総合研究所アメリカで欧米の経済分析を担当。2004年野村證券に転籍し、2007年経済調査部長。2012年7月~2017年7月、日本銀行政策委員会審議委員。主な著書に『異次元緩和の真実』(日本経済新聞出版社)、『決定版 銀行デジタル革命』(東洋経済新報社)など。
どんなストレス、クレーム、理不尽にも負けない 一流のメンタル 100の習慣

7 2021年7月号掲載どんなストレス、クレーム、理不尽にも負けない 一流のメンタル 100の習慣

メンタルの弱さに悩む人は少なくない。失敗を引きずる、困難から逃げてしまう…。そんな悩みを吹き飛ばす、「自分の心を整える」スキルの数々を紹介。伝授するのは、理不尽なクレームを受けることもあるCA(キャビン・アテンダント)の世界で、一流のビジネスパーソンに長年接してきた、元日本航空CA教官だ。
著者山本洋子
出版社朝日新聞出版
発行日2021年5月
定価1,650円

読者のコメント

  • ●想定外の状況への対応を瞬時に決断できる事。初動の失敗を取り戻すには、メンタルの強さも必要である事が実際の体験から語られ、説得力があった(50代・男性)
  • ●一流の接客業であるキャビン・アテンダントとして活躍した経験は貴重なもの。特に鈍感さの発揮や雑音と礼節に感銘した。(男性)

著者紹介

山本洋子(やまもと ようこ)

株式会社CCI代表取締役。接遇研修講師、キャリアコンサルタント。元日本航空(JAL)国際線チーフパーサー、客室マネージャー。25年間JALに在籍し、国際線チーフパーサーとしてファーストクラスを担当。その間、客室訓練部にて教官として約1000人の新人CAを育成し、CA採用面接官も務める。現在は国土交通省や外資系ホテルのビジネスマナー研修をはじめとした企業研修と経営者を対象にしたサロンを主宰。
日本“式”経営の逆襲

8 2021年9月号掲載日本“式”経営の逆襲

最近、「両利きの経営」「リーン・スタートアップ」など、米国発の最新経営技術がもてはやされている。だが元をたどれば、源流は日本にある。ではなぜ、米国の経営理論が“世界標準”となるのか? カギは「コンセプト化」。本書は、日本の弱みである、この問題に切り込んだ。日本の反省点を指摘し、未来への処方箋を示す。
著者岩尾俊兵
出版社日経BP・日本経済新聞出版本部
発行日2021年6月
定価1,980円

読者のコメント

  • ●アメリカの流行り言葉がどうもしっくり来ていなかったのですが、理由が分かりました。(男性)
  • ●グローバル化に対応する為、世界標準を取り入れて来たが、米国での最新経営技術は、結局は日本発のものが多かったのか?(60代・男性)

著者紹介

岩尾俊兵(いわお しゅんぺい)

慶應義塾大学商学部専任講師。平成元年佐賀県生まれ、慶應義塾大学商学部卒業、東京大学大学院経済学研究科マネジメント専攻博士課程修了、東京大学史上初の博士(経営学)を授与される。明治学院大学経済学部国際経営学科専任講師、東京大学大学院情報理工学系研究科客員研究員等を経て、現職。著書に『イノベーションを生む“改善”』(有斐閣)など。
賢い人がなぜ決断を誤るのか? 意思決定をゆがめるバイアスと戦う方法

9 2021年9月号掲載賢い人がなぜ決断を誤るのか? 意思決定をゆがめるバイアスと戦う方法

“バイアス”。それは、私たちを合理的な判断から遠ざける心の働きだ。他者より自分の方が優れていると思う、意思決定を避けて現状維持を優先する…。こうしたバイアスは企業経営をも左右しかねない。どうすれば、それを克服できるのか。最新の行動科学と豊富な事例をもとに、バイアスと戦い、理性的な決断を下す方法を伝える。
著者オリヴィエ・シボニー
訳者野中香方子
出版社日経BP
発行日2021年7月
定価2,200円

読者のコメント

  • ●自社を振り返ってもよくある話ばかりで、改めて、正しく物事を判断することについて考えさせられた(40代・男性)
  • ●前半に書かれていたバイアスの話は既知のものが多かったですが、後半で語られていた回避方法が実用的で良かったです(30代・男性)

著者紹介

Olivier Sibony

仏ビジネススクールHEC経営大学院教授(専門は経営戦略)、オックスフォード大学経営大学院サイード・ビジネススクールのアソシエイト・フェロー。戦略的意思決定の質の向上について研究し、その成果は、ハーバード・ビジネス・レビューなどで数多く発表されている。
ブッダが見つけた四つの真実

10 2021年12月号掲載ブッダが見つけた四つの真実

世界三大宗教の1つで、今や西洋でも広く信仰される仏教。その本質をわかりやすく説いた書だ。仏教の基本概念は〈四法印〉と呼ばれ、「諸行無常」「一切皆苦」などの言葉で知られるが、初心者には理解しにくい。これらの概念を、難しい仏教用語を使わず語る。著者はブータン生まれ、世界を股にかけ、仏教の普及に努める人物。
著者ゾンサル・ジャムヤン・ケンツェ
訳者河上沙羅、望月恵太
出版社創元社
発行日2021年5月
定価1,760円

読者のコメント

  • ●仏教の真言が理解し易くまとまっていた。とても参考になる。(60代・男性)
  • ●「組み合わされたものは全て無常である」という仏教の基本概念の一つにより、物への執着が減少し、悟りへ一歩近づいた気がした(50代・男性)

著者紹介

Dzongsar Jamyang Khyentse

1961年、ブータンに生まれる。現代において仏教の道を歩むための書を著しているほか、アジア地域で仏教の研究のための僧院と研究所を6つ率いている。

2021年下半期「TOPPOINT大賞」は、多くの読者の方々にご投票いただいた結果、上掲のようなラインナップとなりました。「TOPPOINT大賞」の発表は、今後も半期毎に行ってまいります。読者の皆様には、ぜひ、積極的にご投票いただき、「一読の価値ある」ベストビジネス書の選考にご協力いただければ幸いです。

【選考方法】
月刊誌『TOPPOINT』の定期購読者を対象にアンケートを実施。本誌2021年7月号~12月号で紹介した書籍60冊の中から、「この本は良かった」「役立った!」と思われる3冊に投票していただいた。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「TOPPOINT大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出した。