TOPPOINT 大賞

2023年上半期
TOPPOINT大賞
発表いたします。

TOPPOINT 大賞
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT(トップポイント)』は、2023年1月号~6月号で紹介しました60冊の中から、ビジネスリーダーの方々を中心とする1万名以上の定期購読者を対象とした定例の読者アンケートを行い、2023年上半期「TOPPOINT大賞」(第38回)を決定いたしました。 「TOPPOINT大賞」以下、ベスト10冊を発表いたします。
ゼロからの『資本論』

2023年3月号掲載ゼロからの『資本論』

1867年に初版が刊行された『資本論』。世界的な名著だが、読み通すのは容易ではない。本書は、難解・長大で知られる、この大著のエッセンスをわかりやすく説くもの。近年の研究成果も踏まえ、『資本論』を従来にない視点から読み直し、マルクスの真意に迫る。誰もが理解できる、文字通り“ゼロから”の入門書だ。
著者斎藤幸平
出版社NHK出版(NHK出版新書)
発行日2023年1月
定価1,023円

読者のコメント

  • 何でも商品化してビジネスにしよう、と日々頑張っているが、それでみんなが幸せになるのか?と問われた気がした。SDGsのこともあり、企業として視野を広げる必要がある。(40代・男性)
  • 資本論はこれまで興味の範疇外(なんとなく敬遠)でしたが、語られていることが、現在の世の中の本質を突いていることを知りました。(50代・男性)
  • 「コミュニズムが共産主義というのは誤訳」の意味が、この本のおかげで、腑に落ちることができた。(30代・男性)
  • 増殖する資本主義に飲み込まれないようにしたい、もしくは飲み込まれるとしても自覚して飲み込まれたい。(30代・女性)
  • 行き過ぎた資本主義への処方箋(男性)
  • 紹介された時点では既読でした。「資本論」を新たな視点から再解釈した面白い本です。(60代・男性)
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受賞に寄せて

  • この度は素晴らしい賞をいただき、とても光栄です。投票してくださった読者の方々に心より感謝します。資本主義が行き詰まりをみせるなかで、中長期的に必要なのは、これまでの価値観を疑い、新しい価値観を作り出すことです。そのためにカール・マルクスの『資本論』は今でも多くのヒントを与えてくれます。とはいえ、非常に難解な本だし、さまざまな「誤解」にも晒されてきました。だからこそ、『ゼロからの『資本論』』は前提知識がなくても理解できるように、新しいマルクス像を描きました。働き方への不満や将来の不安など、今の社会のあり方に違和感を感じている方々に手にとっていただき、より良い社会の姿を共に考えるきっかけになってほしいと願っています。

著者紹介

著者紹介
  • 斎藤幸平(さいとう こうへい)

    1987年東京生まれ。ウェズリアン大学卒業、ベルリン自由大学哲学科修士課程・フンボルト大学哲学科博士課程修了。大阪市立大学准教授を経て現在、東京大学准教授。著書に『大洪水の前に――マルクスと惑星の物質代謝』(堀之内出版、KADOKAWA)、『人新世の「資本論」』(集英社)など。

田坂広志 人類の未来を語る 未来を予見する「12の洞察」

2 2023年5月号掲載田坂広志 人類の未来を語る 未来を予見する「12の洞察」

人類の未来は、どこに向かうのか。そして、これからの時代にどう処すべきか ―― 。多くの人が抱く疑問に答える。その方法は、“弁証法による未来予見”。「欧州最高の知性」ジャック・アタリ氏が称賛する、著者・田坂氏のものの見方だ。複雑性を増す社会、民主主義の今後…。12のテーマを取り上げ、明快に読み解いていく。
著者田坂広志
出版社光文社
発行日2023年3月
定価1,980円

読者のコメント

  • ●未来洞察がある程度予測できるというのはVUCAの時代と言われる中、新鮮な視点でした。(男性)
  • ●「未来」に対して、「現在」に対して、「責任と希望と自分らしさを以て活きて善い」方の人生へ、シフトする勇気を与えられる。(30代・男性)
  • ●数十年後でも変わることのなさそうな本質が説明されていると感じた。(30代・男性)

著者紹介

田坂広志(たさか ひろし)

1951年生まれ。1974年、東京大学工学部卒業。1981年、東京大学大学院修了。工学博士(原子力工学)。多摩大学大学院名誉教授、シンクタンク・ソフィアバンク代表。2010年世界賢人会議・ブダペストクラブの日本代表に就任。著書は、国内外で100冊余り。
解像度を上げる 曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法

3 2023年2月号掲載解像度を上げる 曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法

「解像度」は、物事への理解度や、思考の明晰さなどを示す言葉である。不確実な環境下でリスクに気づき、対応するには、高い解像度が欠かせない。課題を広く深く理解し、経時変化もおさえつつ、何が重要かを把握できる ―― 。そんな「解像度が高い」人になるための思考と行動のパターンを、具体的にわかりやすく解説する。
著者馬田隆明
出版社英治出版
発行日2022年11月
定価2,420円

読者のコメント

  • ●思考方法のようなあいまいなものを記述してくれるのはとてもありがたい。参考になると思った。(30代・男性)
  • ●知識を深めていく、具体的な方法論がフレームワークとともに示されていた。(男性)
  • ●組織のリーダー達に読んで欲しいと思いました。とても良い本だと思います。(60代・男性)

著者紹介

馬田隆明(うまだ たかあき)

東京大学産学協創推進本部FoundXディレクター。University of Toronto卒業後、日本マイクロソフトを経て、2016年から東京大学。2019年からFoundXディレクターとしてスタートアップの支援とアントレプレナーシップ教育に従事する。
半導体戦争 ――世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防

4 2023年5月号掲載半導体戦争 ――世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防

パソコンやスマホ、自動車など身近な製品からロケットまで。「半導体」の用途は広がる一方だが、生産できる企業は一握り。製造工程は複雑、コストは膨大で、今や石油をしのぐ「戦略的資源」ともいわれる。そんな世界最重要テクノロジーについて、いびつな業界構造、グローバル化、米中対立の新側面など、全体像を解き明かす。
著者クリス・ミラー
訳者千葉敏生
出版社ダイヤモンド社
発行日2023年2月
定価2,970円

読者のコメント

  • ●戦後から現在までの半導体開発の流れがまとめられており、勉強になった。こうした最先端技術が国際情勢にいかに翻弄されるかがよくわかる。(40代・男性)
  • ●半導体が、かつての資源と同じように、各国の争いのきっかけになりうることを改めて考えさせられた。(50代・男性)
  • ●争いに対して、違う観点を教えてもらった。(60代・男性)

著者紹介

Chris Miller

1987年米国生まれ。タフツ大学フレッチャー法律外交大学院国際歴史学准教授。ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルなどに寄稿し、新鮮な視点を提供している気鋭の経済史家。ハーバード大学にて歴史学学士号、イェール大学にて歴史学博士号取得。
2040年の日本

5 2023年4月号掲載2040年の日本

10年後、20年後の日本の姿とは? 長年、日本の未来を考え続けてきた野口悠紀雄氏が、この国の将来を予測。経済、安全保障、医療・福祉など、様々な角度から、激変する社会の姿を描く。氏は言う。「未来は与えられるものではなく、主体的に作っていくもの」。そのためには、未来を正しく理解し、変化に備えねばならない。
著者野口悠紀雄
出版社幻冬舎(幻冬舎新書)
発行日2023年1月
定価1,078円

読者のコメント

  • ●現状分析に基づく未来の日本の姿の予測。「遠い未来の方が見通しやすい面もある」という意見に新鮮な驚きと納得を感じる。わたしは野口教授の分析にいつも新しい物事の見方を教えてもらっている。(60代・男性)
  • ●2060年には中国GDPが日本の10倍になる脅威を知り、日本の今から取るべき対処と中国との付き合い方を意識付けられた。(60代・男性)

著者紹介

野口悠紀雄(のぐち ゆきお)

1940年生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省。72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、一橋大学名誉教授。専攻は、ファイナンス理論、日本経済論。
「変化を嫌う人」を動かす ――魅力的な提案が受け入れられない4つの理由

6 2023年5月号掲載「変化を嫌う人」を動かす ――魅力的な提案が受け入れられない4つの理由

魅力的なはずのアイデアや新しい製品が、なぜ顧客に受け入れられないのか? それは、アイデアの魅力が足りないせいではない。顧客側に受け入れたくない理由、すなわち「抵抗」があるからだ。本書はこの抵抗を、惰性・労力・感情・心理的反発の4つに分類。それらを乗り越え、人に変化を促す方法を、事例を交え解説する。
著者ロレン・ノードグレン、デイヴィッド・ションタル、船木謙一(監訳)
訳者川﨑千歳
出版社草思社
発行日2023年2月
定価2,200円

読者のコメント

  • ●アイディアが受け入れられないのは、アイディアに魅力がなかったと考えてしまうが、受け入れる人に4つの抵抗があるから。なるほどと思いました。(男性)
  • ●実際仕事の現場で問題となるのは、問題自体というよりも本書にあるような人々の存在であることが多い。これら人々への対策は普遍的な問題解決法になりうると思った。(50代・男性)

著者紹介

Loran Nordgren

ケロッグ経営大学院の経営学教授。新しいアイデアの採用を促す作用や妨げる作用を持つさまざまな心理的力について探究する研究や教育に携わる。

David Schonthal

イノベーション&アントレプレナーシップを担当するノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院教授。
人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法

7 2023年5月号掲載人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法

ハーバード大学で教鞭を執る著者は言う。医者や起業家など「高いスキルを要する職業であればほぼ例外なく、30代後半~50代前半にキャリアが落ち込み始める」と。その原因を明らかにするとともに、加齢により向上する知能やスキルを解説。これらの能力を活かし、キャリアを再設計するヒントを説いた、人生後半の指南書だ。
著者アーサー・C・ブルックス
訳者木村千里
出版社SBクリエイティブ
発行日2023年3月
定価1,870円

読者のコメント

  • ●50歳を過ぎたので、人生後半を実りあるものにしたいと考えていたところ、参考になると感じました。(50代・男性)
  • ●「あなたの道を歩き始めれば、あなたは変わる」に感銘を受けました。 (50代・男性)

著者紹介

Arthur C. Brooks

幸福について研究する社会科学者。ハーバード・ケネディ・スクールのウィリアム・ヘンリー・ブルームバーグ教授職(パブリック・リーダーシップ実践)、ハーバード・ビジネス・スクール教授(マネジメント経営実践)。
1位思考 ――後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣

8 2023年2月号掲載1位思考 ――後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣

バッテリーや充電器などでオンラインシェア1位を獲得。創業9年目で売上300億円。後発ながら厳しい競争を勝ち続けるアンカー・ジャパン。その飛躍を可能にした習慣と思考法を、同社CEOが語った。「負けないゲーム」をする、お客様の声を聞く、1%にこだわる…。披露される内容はシンプルで、実践すれば誰でも1位になれる!
著者猿渡 歩
出版社ダイヤモンド社
発行日2022年11月
定価1,650円

読者のコメント

  • ●1%にこだわる習慣を組織全体に定着させる事が成功の秘訣なのだと感銘を受けた。シンプルなこだわりだがハードルは高い。(50代・男性)
  • ●実態を反映した良書(40代・男性)

著者紹介

猿渡 歩(えんど あゆむ)

アンカー・ジャパン株式会社代表取締役CEO。アンカーストア株式会社代表取締役CEO、EAコンサルティング合同会社CEO、他数社の社外取締役や顧問も務める。Deloitteにてコンサルティング業務やIPO支援に従事後、PEファンド日本産業パートナーズにてプライベート・エクイティ投資業務に携わる。アンカーの日本事業部門創設より参画し、同部門を統括。参入したほぼすべての製品カテゴリーでオンラインシェア1位を実現するとともに、創業9年目で売上300億円を達成。本書が初の著書。
SECOND BRAIN(セカンド ブレイン) 時間に追われない「知的生産術」

9 2023年6月号掲載SECOND BRAIN(セカンド ブレイン) 時間に追われない「知的生産術」

クリエイティブな仕事に集中するには何が必要か? 生産性のエキスパートである著者が提案するのは「セカンドブレイン」だ。ノートアプリなどで“備忘録”をデジタル化し、必要な情報や将来役立ちそうな知識を収集・整理する仕組みである。自分専用の“知の倉庫”を築くことで、思考が促され、創造性が発揮できるという。
著者ティアゴ・フォーテ
訳者春川由香
出版社東洋経済新報社
発行日2023年4月
定価1,760円

読者のコメント

  • ●必要な情報や将来役立ちそうな知識を、手帳などに収集・記録してはいますが、整理することができず活用出来ないことが多々あります。デジタル化による「知の倉庫」。築く必要性大です。(60代・男性)
  • ●汎用的な知的生産術が紹介されており、日々のデジタルツールでのメモの取り方の参考になった。(男性)

著者紹介

Tiago Forte

生産性コーチ。全世界に10万人以上のフォロワーを持ち、デジタルワークによって疲弊したビジネスパーソンたちに、より効率的で創造性の高い仕事のやり方を伝授。
キーエンス 高付加価値経営の論理

10 2023年6月号掲載キーエンス 高付加価値経営の論理

営業利益は実に4000億円。時価総額13兆円で、国内の全上場企業のトップ5に位置するキーエンス。自動制御機器や計測機器などを販売・製造するこの企業は、いかにして高業績を実現し続けているのか。キーエンス協力の下、経営学者が調査・取材を行い、同社が取り組む高付加価値経営、イノベーションの仕組みを解析する。
著者延岡健太郎
出版社日経BP・日本経済新聞出版
発行日2023年3月
定価1,870円

読者のコメント

  • ●従業員の経営参加を基本とした付加価値の最大化を経営原則とした経営は今後の基本となる。(70代・男性)
  • ●属人化を防ぐ経営のポイントは非常に参考になった。(60代・男性)

著者紹介

延岡健太郎(のべおか けんたろう)

1959年広島県生まれ、81年大阪大学工学部卒業、同年マツダに入社。88年マサチューセッツ工科大学より経営学修士取得、93年マサチューセッツ工科大学よりPh.D(経営学博士)取得、94年神戸大学経済経営研究所助教授、99年同教授、2008年一橋大学イノベーション研究センター教授、18年大阪大学経済学研究科教授。主著に『マルチプロジェクト戦略』(有斐閣)、『マネジメント・テキストMOT[技術経営]入門』『アート思考のものづくり』(日本経済新聞出版)などがある。

2023年上半期「TOPPOINT大賞」は、多くの読者の方々にご投票いただいた結果、上掲のようなラインナップとなりました。「TOPPOINT大賞」の発表は、今後も半期毎に行ってまいります。読者の皆様には、ぜひ、積極的にご投票いただき、「一読の価値ある」ベストビジネス書の選考にご協力いただければ幸いです。

【選考方法】
月刊誌『TOPPOINT』の定期購読者を対象にアンケートを実施。本誌2023年1月号~6月号で紹介した書籍60冊の中から、「この本は良かった」「役立った!」と思われる3冊に投票していただいた。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「TOPPOINT大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出した。

2023年上半期
『TOPPOINT大賞』
書店フェアのお知らせ

2023/7/25

 本賞の決定に伴い、丸善ジュンク堂書店・文教堂・未来屋書店の主要大型店45店舗にて「TOPPOINT大賞受賞書籍フェア」を開催いたします。フェアでは、ベスト10冊に選ばれた各書籍を、その書籍の読みどころや読者のコメントを記したPOPと並べて展開。また、大賞を受賞した著者のコメントや本賞の概要を紹介した小冊子(無料)も配布します。開催期間は、8月1日(火)より1ヶ月間の予定です。
 開催店舗は下記のとおりです。ぜひお立ち寄りください。

前回のフェアの様子(2022年下半期)

  • ジュンク堂書店 池袋本店
    ジュンク堂書店 池袋本店
  • 丸善 仙台アエル店
    丸善 仙台アエル店
  • ジュンク堂書店 名古屋栄店
    ジュンク堂書店 名古屋栄店
  • 丸善 名古屋本店
    丸善 名古屋本店
  • ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店
    ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店
  • ジュンク堂書店 三宮駅前店
    ジュンク堂書店 三宮駅前店
  • ジュンク堂書店 福岡店
    ジュンク堂書店 福岡店
  • 文教堂 溝ノ口本店
    文教堂 溝ノ口本店