TOPPOINT 大賞

2014年下半期
TOPPOINT大賞
発表いたします。

2014年9月号掲載競争優位の終焉 市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける

本書のオビに曰く、「ポーターの理論だけでは、生き残れない」。今日の変化の激しい競争環境においては、マイケル・ポーターが説いた「5つの競争要因」等の理論に従い、「持続する競争優位」の確立にこだわるのは危険だ、と著者はいう。代わって提示するのが、「一時的な競争優位」に基づく戦略である。それは、束の間の好機を迅速につかみ、確実に利用する方法だ!
著者リタ・マグレイス
訳者鬼澤 忍
出版社日本経済新聞出版社
発行日2014年6月
定価2,200円

2 2014年8月号掲載成果を出す会社はどう考えどう動くのか

精神論を振りかざし、頑張りだけを求める役員。忙しさゆえ、何も考えず、目の前の仕事をさばくことに全力を集中する社員 ―― 。こうした“日本的経営体質”は、いまだに根強く残っている。本書は、そのような組織の再生法を説くもの。組織風土改革の実施、対話による知恵の創出など、「本当のいい会社」になるための方法を、企業事例を交えつつ具体的に示す。
著者柴田昌治
出版社日経BP社
発行日2014年6月
定価1,760円

3 2014年11月号掲載孤独の力

“孤独”という言葉を聞くと、「つらい、悲惨、避けたい」など、良くない印象を抱きがち。しかし、著者の五木寛之氏はいう。「そもそも、人は本来孤独を恐れるべきものだろうか」。絆を求めて生きることが理想なのか、むしろ今、孤独の持つ可能性を見つめ直すべきでは。こう問いかけ、自らの体験や親鸞、キリストなどを引き合いに、孤独について考える。
著者五木寛之
出版社東京書籍
発行日2014年9月
定価1,210円

4 2014年9月号掲載孫子に経営を読む

日本を代表する経営学者が、経営の視点から『孫子』の名言を選び、読み解いた。「戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ」(まず正攻法、そこに奇手を組み合わせる)をはじめとする“戦略の巨人”の言葉を、経営にどう適用するか、グーグル等の企業事例を交え、伝授する。中国文学者や戦史家による従来の解説書とは一味違う、マネジメント層のための1冊だ。
著者伊丹敬之
出版社日本経済新聞出版社
発行日2014年7月
定価1,760円

5 2014年12月号掲載組織が動くシンプルな6つの原則 部門の壁を越えて問題を解決する方法

組織力を高めるため、企業は、組織体制や報酬制度などの“ハード”をいじったりする。だが、ビジネスの複雑性が増す今日、こうした手法はもはや時代遅れ。組織能力を向上させるカギは従業員の「協働」だ、とボストン コンサルティング グループのシニア・パートナーたちは指摘。部門の壁を越え、組織をスムーズに動かす上で基盤となる「6つの原則」を説く。
著者イヴ・モリュー、ピーター・トールマン、重竹尚基(監訳)、東海林 一(監訳)
出版社ダイヤモンド社
発行日2014年10月
定価1,760円

6 2014年7月号掲載知性を磨く 「スーパージェネラリスト」の時代

「なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?」。周囲にいそうな、興味深い人物の話を皮切りに、「知性」とは何か、どう磨けばよいかを考察していく。知能でも、知識でもない、優れた知性は、思想や志、戦略など、様々なレベルの思考を瞬時に統合できる。このような思考のあり方が、困難な問題を解決し、自分の中に眠る可能性を開花させるという。
著者田坂広志
出版社光文社(光文社新書)
発行日2014年5月
定価836円

7 2014年11月号掲載現場力を引き出すリーダーの条件 「オーケストラ型」マネジメント

インターネットが普及し、情報が行き渡るようになった結果、社員は知識を得て、自らの考えを主張するようになった。もはや、かつてのような男性的な“強いリーダー”の下、トップダウンで現場を率い、目標を達成するのは難しい。今日、大切なのは「命令せず、協調し、違いを活かす」こと。本書は、新時代に必要なリーダーシップのあり方を掘り下げ、提示する。
著者デイナ・アーディ
訳者伊豆原 弓
出版社日経BP社
発行日2014年8月
定価1,760円

8 2014年11月号掲載50代からの選択 ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか

「ああ、オレの人生は良かった」。こう言って死ぬためには、50歳前後で、残りの人生について考え、行動を起こす必要がある。その心構えを、伝授した書だ。「やりたいことを10以上数えあげる」「今のすみか以外の場所に住むことを考えてみる」「死ぬ時は貯蓄ゼロでいい」…。グローバルに活躍する著者が、第2の人生をどう充実させるか、具体的に提案する。
著者大前研一
出版社集英社(集英社文庫)
発行日2008年2月
定価528円

9 2014年9月号掲載世阿弥の言葉 心の糧、創造の糧

室町時代の能役者、世阿弥。能楽という身体芸術を大成した彼は、言葉に対しても天才だった。「初心忘るべからず」「稽古は強かれ、情識(傲慢)は無かれ」「目前心後(眼は前を見ているが、心は後ろに置いておけ)」…。『風姿花伝』等の伝書から紹介される言葉は、今も色褪せず、心に響く。人生、ビジネスで悩んだ時、世阿弥の言葉は、貴重な示唆を与えてくれる。
著者土屋恵一郎
出版社岩波書店(岩波現代文庫)
発行日2013年6月
定価1,056円

10 2014年11月号掲載じゅうぶん豊かで、貧しい社会 理念なき資本主義の末路

副題「理念なき資本主義の末路」。かつてケインズは、資本主義の明るい未来を説いた。万人の生活水準は何倍も向上し、1日の労働時間は3時間になると。そして今。先進国は豊かな社会を実現したが、労働時間は減らず、所得格差は広がり、人々は競争に明け暮れている。こうした現状を憂えるケインズ研究の大家が、貪欲を煽る今の資本主義へなぜ至ったかを説く。
著者ロバート・スキデルスキー、エドワード・スキデルスキー
訳者村井章子
出版社筑摩書房
発行日2014年9月
定価3,080円