2014年8月号掲載

成果を出す会社はどう考えどう動くのか

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著者紹介

概要

精神論を振りかざし、頑張りだけを求める役員。忙しさゆえ、何も考えず、目の前の仕事をさばくことに全力を集中する社員 ―― 。こうした“日本的経営体質”は、いまだに根強く残っている。本書は、そのような組織の再生法を説くもの。組織風土改革の実施、対話による知恵の創出など、「本当のいい会社」になるための方法を、企業事例を交えつつ具体的に示す。

要約

「考える力」はなぜ失われたのか

 日本企業で最近顕著なのは、忙殺されるあまり、ただ仕事を右から左へさばくことにのみ集中する「仕事のできる」社員の存在だ。目の前にある課題をどう処理していけばいいのかということ以外に、ほとんど考える余裕をなくしている。

 成熟した市場を前に、厳しい闘いを余儀なくされてきた経営環境の中で、とにかく目の前の数字をどう上げるかに集中せざるを得なかったという事情は理解できる。でも、その代償は大きい。

 日本的経営が持つこうした問題点を是正して、創造的な組織に生まれ変わろうという試みが、組織風土改革である。組織風土改革で「考え抜く習慣」を身に付ける必要がある。

「考える力」が人を成長させ、企業に成果をもたらす

 「企業の業績とそこで働く人の働きがいを同時に満たす」ことができるのが、私の持つ理想の企業像である。

 どういう時に働きがいを感じるかは人によって違いがあるだろう。しかし、間違いなく言えるのは、多くの人にとって「自らの成長を実感できる仕事環境」があるとするなら、それはその人が働きがいを感じている時だ、ということだ。

 働く人が自らの成長を感じられる環境が用意され、そういう働き方ができるようになることで、結果として企業の成果(収益)につながれば、会社と社員双方の目指すものはかなえられる。

 この困難な課題を解くキーワードが、「社員の考える力を引き出し、鍛えること」なのだ。

 ただし、注意が必要なのは、ここでいう「考える力」とは、日常的に行っている「どうやるかを考えること」を意味してはいない、という点だ。

 考える力を引き出し鍛えるには様々な工夫が必要だが、その中で最も大切なのは、「そもそも」と考える姿勢を習慣化させていくことだ。

 なぜなら「そもそも」と考えることが習慣化され、その核心に迫る力が発揮されるからこそ、本質的で根治的な問題解決ができるからである。

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