2014年7月号掲載
知性を磨く 「スーパージェネラリスト」の時代
- 著者
- 出版社
- 発行日2014年5月20日
- 定価836円
- ページ数229ページ
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著者紹介
概要
「なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?」。周囲にいそうな、興味深い人物の話を皮切りに、「知性」とは何か、どう磨けばよいかを考察していく。知能でも、知識でもない、優れた知性は、思想や志、戦略など、様々なレベルの思考を瞬時に統合できる。このような思考のあり方が、困難な問題を解決し、自分の中に眠る可能性を開花させるという。
要約
そもそも、「知性」とは何か?
「知性」とは何か ―― 。
このことを考えるためには、まず、知性という言葉と似て非なる言葉があることを理解しなければならない。それは、「知能」である。
実は、知性と知能は、全く逆の意味の言葉。
知能とは、「答えの有る問い」に対して、早く正しい答えを見いだす能力のこと。
一方、知性とは「答えの無い問い」に対して、その問いを、問い続ける能力のことである。
「答えの無い問い」に溢れる人生
例えば、部下の転属を命じる時。
企画部長が営業部長に、若手の部下、鈴木君が欲しいと言われた。自分の下でもう少し修業させるべきか、他で新たなスキルを磨かせるべきか?
実は、この問いは、もし真剣に考え始めたならば、まさに「答えの無い問い」である。
この問いに対して、多くのマネジャーはあまり深く考えることなく、結論を出していく。そのことは、必ずしも批判されることではない。マネジャーの多忙な業務の中で、こうした1つの案件に、多くの時間をかけて結論を出す余裕はない。
しかし、仮に短時間で判断を下すとしても、マネジャーが理解しておくべきことがある。
部下に転属を命じるか否かということ1つでも、本当は、答えの無い問いだという事実。その事実を知って判断するのと、気づかず判断するのとでは、「知性」の在り方において大きな違いが生じる。