2014年11月号掲載

現場力を引き出すリーダーの条件 「オーケストラ型」マネジメント

Original Title :THE FALL OF THE ALPHAS.

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著者紹介

概要

インターネットが普及し、情報が行き渡るようになった結果、社員は知識を得て、自らの考えを主張するようになった。もはや、かつてのような男性的な“強いリーダー”の下、トップダウンで現場を率い、目標を達成するのは難しい。今日、大切なのは「命令せず、協調し、違いを活かす」こと。本書は、新時代に必要なリーダーシップのあり方を掘り下げ、提示する。

要約

「アルファ」から「ベータ」へ

 人は何千年も、1人の有力者にリーダーを任せてきた。家族には家長がいた。国には王が、首相が、大統領がいた。そして企業にはCEOがいる。

 この至るところで見られる有力者を、一言で表す言葉がある。それは、動物界の研究から用語を借りて、「アルファのオス」と呼ばれる。

 先史時代の人間社会はすべて、狩猟と採集を中心とした平等主義の共同社会であった。男の仕事である狩猟が、女の仕事とされる採集より重んじられることも、軽んじられることもなかった。

 男性が優位になり始めたのは、農耕が発達し、畑を耕す力が必要になってからのことだ。

 やがて社会は農耕時代から産業化時代に変化したが、リーダーのあり方は変化しなかった。そして、労働は性別によって明確に分けられるようになった。男は家の外で働き、女は家の中で働いた。

男のようにふるまった女性リーダー

 1980年代に入ると、女性が性別の壁を打ち破り、時には高い職業的地位につくようになった。彼女たちは「アルファのメス」と呼ばれた。

 その行動や態度は、同じような集団を率いる男性と大差なかった。彼女たちは、仕事で成功するためには男と同じになるしかないと判断したのだ。女性らしさはほとんど残さず捨てた。

 1980年代から90年代にかけてトップの地位に上り詰めた女性たちは、アルファのオス以上にアルファらしくならねばと考えた。

 「アルファのメスは特別な存在だ。アルファのオスの行動をまね、他人を踏み台にして頂点にたどり着こうとする男性は多いが、アルファのメスのようになろうとする女性はそう多くない。頂点に上り詰める女性=アルファのメスは異端児であり、(中略)女性はあまりアルファ女性が好きではないし、そうなりたいとも思わない」

あらゆる組織のモデルとなったアルファ型

 では、企業のリーダーと階層的な組織構造に見られるアルファ・モデルはなぜ長く続いたのか? 簡単なことだ。うまくいったからだ。

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