2003年1月号掲載
会議革命
著者紹介
概要
日本のホワイトカラーの生産性が低いのは有名な話。その1つの要因は「不毛な会議」の多さだ。バブル崩壊以降、会議の数は減ったと言われているが、まだまだ無駄な会議が多い。本書は、会議というものを根本から見直し、クリエイティブなアイデアが必ず生まれるような会議のやり方を提案する。具体的かつ実践的な内容になっている。
要約
会議に「3つの革命」を!
日本は会議を頻繁に行う“会議大国”である。しかしその内容はというと、多くは不毛で、新しいアイデアが生まれたりすることは滅多にない。
こうした現状を変えるには、まず「クリエイティブなアイデアが出ない会議はやらない」という覚悟が必要だ。その上で「会議のスタイル」を変える。
会議を効率よく、しかも成果の上がるものにするには、次の3つの会議革命を行わねばならない。
第1の革命 ポジショニング
通常、会議はある程度の人数で行うが、まずは基本単位を2人に設定する。「2人で対話しながらアイデアを生み出す」ことを、会議の基本要素にするためである。
その際に重要になるのが、それぞれの「座り方」だ。図のように、2人の座る机の中心に共通の資料を置き、それを頂点として、シートに向かう2人の角度が直角になるように座る。つまり、「直角二等辺三角形」を作るのである。
対面で向き合う場合は、相手が資料に書き込みをしても逆の方向から見ることになるため読みにくく、距離感がある。しかし、直角二等辺三角形を作った時には互いの間に1つの資料が置かれ、それを2人で共有することになる。
すると、対面状況の時とは違う関係性が生じる。正面から向き合うと互いの意識もぶつかり合い、少々ぎこちなくなってしまうが、45度の角度で並ぶと、照れずに大事な話ができるものである。
このように、2人の間に紙を置き、2人で1枚の紙にキーワードを書き込んだり、話したりして、アイデアを出していく。これが、会議を進めていく上での「共通の土俵」になる。