2003年4月号掲載
会議が変わる6つの帽子
Original Title :Six Thinking Hats
- 著者
- 出版社
- 発行日2003年1月30日
- 定価1,760円
- ページ数264ページ
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著者紹介
概要
オックスフォード大学で医学を教えるかたわら、「水平思考」をはじめとする数々の思考法を考案したデ・ボーノ博士。本書は、その代表的な思考法である「6つの帽子メソッド」を解説した『デボノ博士の「6色ハット」発想法』(1986年発行)の改訂新版である。このメソッドは、米IBM、マイクロソフト、デュポンなどでも採用されているという。
要約
「6つの帽子メソッド」とは?
アメリカ企業の管理職は、仕事時間の約40%を会議に費やしているという。だが、もしその時間を大幅に減らすことができたら —— 。
会議時間の短縮。それを可能にするのが、「6つの帽子メソッド」と呼ばれるものだ。
IBM研究所の研究者は、このメソッドによって、「会議の時間が4分の1に短縮された」と語る。また米国の裁判では、陪審員が採決するまで3時間以上もかかることは珍しくないが、「6つの帽子メソッド」を導入した結果、わずか15分で採決が終わったという。
このメソッドは実際、NASA、IBM、デュポンなど、多くのトップ企業でも導入されている。
では、「6つの帽子メソッド」とは一体どんなものなのか?
我々が物事を考える際、最大の問題は頭が混乱することである。それは、1度にたくさんのことを考えようとするからだ。
であるならば、物事を考える時には、1度に1つのことを考えるようにすれば、効率よく結論を導き出せる。この概念こそが「6つの帽子メソッド」の考え方である。
具体的には ——
ある家の前後左右に4人の人が立ち、それぞれの場所からその家を見ている。4人は互いに無線で連絡をとりながら、それぞれ自分が見ている眺めこそ、その家の本当の外観であると主張し合っている。このような状況では、4人の議論はまとまることはない。
だが4人がそれぞれ家の周りを歩き、正面や裏側、横を見て回るとする。つまり4人が同じ視点で、4つの側面を同時並行的に見るのである。
そうすれば、4人は家の全ての側面を見ることになるので、問題点を話し合うことができ、何らかの結論を導き出すことができる。