2005年9月号掲載

勝つ人の考え方 負ける人の考え方

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著者紹介

概要

勝負するからには、1番を目指さなければ面白くない! ―― その一念から、勝つための戦略を考え、実行してきた著者・林野氏。かつてはDJを目指したほどの音楽好きで、かつ大の読書家であるという氏の考え方は、極めて柔軟で懐が深い。20年間連続増収を続けるクレディセゾンの軌跡をたどりつつ、人生という勝負に勝つための心構えを説く。

要約

勝つ人の考え方、負ける人の考え方

 1965年に西武百貨店に入社した著者・林野宏氏は、82年に西武クレジット(現クレディセゾン)に転籍した。

 当時、クレジットカード業界はまだ黎明期にあった。しかも、西武クレジットは、経営危機に瀕していた「緑屋」という割賦販売専門の小売業の業容を転換し、再建に3度失敗した会社だった。

 大変厳しい船出だったが、氏は、やるからには一番を目指さなければという一念を持ち続け、ついに2002年、クレディセゾンはクレジットカード業界の取扱高でトップに立った。

 これはひとえに、「勝つ」「一番になる」という情熱を絶やさなかったこと、そして、それを達成するために頭を使い、勝つための戦略を考え、行動し続けてきた成果である。

*  *  *

能力に差はない。あるのは「情熱の持続力」の差

 入社式の日、多くの人が「大きなことを成し遂げよう」という意気込みを胸に会社の門をくぐる。

 では、なぜその後、当初思い描いた通りのビジネスマン人生を歩めない人たちがいるのか?

 大志を達成できない原因は、「情熱の持続力」にある。入社して数年も経つと、色々なイヤなことにめげて、次第に情熱を失っていくことが多い。

 夢に向かう情熱があれば、人は仕事を成功させるために必要な知識や情報を仕入れ、それを生かして行動する。夢への情熱がたゆまぬ努力を促し、頭を鍛えることでビジネスの能力も向上する。情熱と能力の間には、そういう相関関係があるのだ。

タブーを持たない。好奇心が勝つ「知恵」を生む

 ビジネスとは、知識・経験を知恵に変えて行動することによって、富に置き換えることである。