2005年12月号掲載

男性的日本へ

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著者紹介

概要

これからは「男性的」日本へ ―― 。長らく、男は理知的・紳士的でなければならないとされてきたが、外交や経済が急激に変化する今、抜本的で革命的な姿勢、つまり男性的であることが欠かせない。それが、日本を頼りがいのある国にする。本書では、未来予測で定評のある著者が、今後ますます男性化していく日本を、根元から考えるためのヒントを指し示す。

要約

「男性的日本」時代の到来

 「男性的」という言葉は長い間、死語に等しかった。だが、この数年間に風向きが変わった。ウーマンリブや男女共同参画の嵐が一段落して、男性復権の風が吹いてきたともいえる。

 例えば、ヒゲが復活してきた。また、総選挙ではバランス型の政治家が軒並み落選し、所信断行、勇往邁進、単純明快の人が当選するようになった。

 日本をめぐる外交・防衛・経済・産業の変化はあまりにも急なので、それらへの対応は抜本的・現実的・革命的なものになる。その具体策の数々を総称すると、男性的という表現がピッタリだ。

 社会的に期待される能力や役割には今も性差があり、「自ら事にあたる」「外部に立ち向かう」などの精神は、より多く男性に期待されている。

 日本は国内改革でも外交でも、そういう意味での対応をするようになった。つまり、日本は「男性化」したのだ。

 日本は、今後、憲法改正へ進み、さらに場合によっては核装備へも歩を進めることだろう。

 今は“頼られる日本・頼りない日本”だが、これからは“頼らせる日本・頼りある日本”へと変わっていく —— 。

精神が先、知識や情報はその次

 ベティ・フリーダンという、ウーマンリブの元祖の女性がいる。彼女が来日した時、著者は「日本の女性の地位は低いと盛んにおっしゃいますが、どこが低いのですか?」と質問した。

 そこで、さらに尋ねた。「あなたが今言っているのは、社会的地位ですね。それがどうして、女性の地位が低いという証拠になるのですか。日本女性のパワーはすごいですよ。家庭内は完全に支配しているから、社会活動などはやる気がない。そんな面倒なことは男にやらせておく。女性がそう選択をしているならいいではありませんか」。

 彼女が「家庭内のパワーとは何か?」と聞くので、「日本の女性の約75%は、その家庭の全収入を管理していますよ」と答えると、「信じられない」と驚いてしまった。彼女は、調査もせず、思慮も尽くさず、思い込みで日本女性の地位は低いと主張していたのである。

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