2006年11月号掲載
P.F.ドラッカー経営論
Original Title :PETER DRUCKER ON THE PROFESSION OF MANAGEMENT
- 著者
- 出版社
- 発行日2006年9月7日
- 定価8,800円
- ページ数785ページ
※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。
※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。
概要
P・F・ドラッカー博士が、約半世紀にわたって『Harvard Business Review』誌に寄稿した33本の論文を完全収録。800ページ超の大著で、まさにマネジメントに携わる人のための“座右の書”である。1950年代に早くもプロフェッショナルの活用を訴え、60年代にはアイデアのマネジメントの重要性を指摘するなど、その先見性には改めて驚かされる。
要約
ドラッカーの経営論とは?
P・F・ドラッカーの33本の論文から、そのエッセンスのいくつかを紹介すると —— 。
* * *
「小さなアイデアの大きな力」
未来を予知することはできない。未来について唯一確実なのは、それは現在の延長線上にあるのではなく、現在とは別のものであるということだ。
未来は、目的を持った行動によって形成され得る。そして、このような行動の原動力となるのはただ1つ「アイデア」である。
それも、異なる経済や技術、あるいは他社が開発した他の市場に関するアイデアである。
アイデアは常に小さく生まれる。だからこそ、未来をかたちづくる上で、実は小企業の方に利があるともいえる。
また、未来を形成するために必要なのは、天賦の才ではなく、努力だ。確かに独創的な想像力があれば、よりユニークなアイデアが湧いてこよう。
しかし、問題の核心は独創性ではない。いかなる組織においても、アイデアはあふれている。
我々に足りないものはアイデアではなく、アイデアを積極的に歓迎するマネジメント体制である。
経営者には、アイデアを引き出そうとする姿勢が足りない。経営者たる者、未来を形成する活動に資源、特に一流の人材を投入する勇気を持たなければ、何も生み出せないだろう。
「新たな生産性革新の挑戦」
先進国における最大の経済的な課題は、知識労働とサービス労働の生産性の向上だ。その実現のためには、次の6つのステップが必要である。