2008年3月号掲載
最強の経済学者 ミルトン・フリードマン
Original Title :Milton Friedman
- 著者
- 出版社
- 発行日2008年1月28日
- 定価2,640円
- ページ数359ページ
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著者紹介
概要
米レーガン政権、英サッチャー政権の思想的バックボーンとなった20世紀を代表する経済学者、ミルトン・フリードマン。本書は反ケインズ理論の先鋒となり、「小さな政府」「規制緩和」を信条とした彼の「リバタリアニズム(自由至上主義)」の思想および生涯を、その著作に触れつつ紹介する。巻末には、生前の2005年に行われた本人へのインタビューを付す。
要約
フリードマンという人
ミルトン・フリードマンは、20世紀を代表する経済学者、政治思想家の1人である。
並外れた頭脳、真摯な研究姿勢に加え、親しみやすさも備えていた。教育者としても優れ、公私にわたって刺激を受けた人は数多い。
彼が目指したのは、人に迷惑をかけない限り大人が好きなことをできる社会、「リバタリアニズム(自由至上主義)」の思想だ。聖域を設けず、どんな時も「小さな政府」を主張した。
また、「インフレはいかなる場合も貨幣的な現象である」「物価はマネーサプライ(通貨供給量)の増減に左右される」という説を唱え、経済活動と貨幣の分析で、類まれな貢献をした。
彼は1912年、ニューヨーク市で生まれた。父母はハンガリー出身のユダヤ人であった。
フリードマンは12歳頃まで、熱狂的なユダヤ教徒だった。例えば、あるボーイスカウトのお祭りで、ユダヤ教の戒律で許されていない食品が用意されると知った時は、逃げ帰ったという。
このように極端なまでに宗教を重んじたという逸話は、几帳面な性格をよく表している。いい加減なことができない、論理的に考えるなら、徹底して理詰めで考えるタイプなのである。
だからこそ、食事規定をはじめとする正統派ユダヤ教の細々とした教えに一貫した論理を見いだせなくなると、宗教とはあっさり縁を切った。
28年、ラトガーズ大学へ入学し、学問の世界に足を踏み入れた彼は、その後、シカゴ大学院などで学び、46年、シカゴ大学経済学部の教壇に立つ。そして以降、数十年にわたり、学者として実り多い日々を過ごすことになる —— 。
『消費の経済理論』
フリードマンが学者として一番充実していた1950年代、彼は『消費の経済理論』を著した。