2008年5月号掲載
外資系キャリアの出世術 会社があなたに教えない50の秘密
Original Title :CORPORATE CONFIDENTIAL
著者紹介
概要
こうすれば出世の階段を駆け上り、こんな行為が左遷や解雇につながる…。人事に関するルールや仕組みを、多くの社員は知ったつもりでいる。だが、本当のルールは経営者や人事部によって隠されていると、元人事担当役員の著者は言う。本書で語られる数多くの内情は、出世を望む人はもちろん、雇用の安定を得たい人なら、知っておく必要のあることばかりだ。
要約
社員が知らない秘密のルール
解雇の危険が自分に迫っているかどうか、あなたはその兆しを察知できるだろうか?
米国では現実に、毎日数千人もの従業員が、リストラなどの憂き目に前触れもなく遭っている。
そうならないためには、自分が価値ある社員として見られているのか否か、それを判断する指針を知っておく必要がある。
会社の言葉は額面通りではない
会社には、「世間向けの声明」と「本当の指針」がある。
例えば、ある会社は、社員に「ワーク・ライフ・バランス」を取らせる計画を喧伝してきた。そして、仕事と私生活のバランスを取るための講座を開いたりした。そのため多くの社員が「会社は本当にその考え方を支持している」と思い、ぜひとも自らの生活に取り入れたいと考えた。
しかし、そうした社員の多くは致命的な過ちを犯すことになった。
会社にとって「本当に重要なもの」は、業界で優位を保つことだった。この会社がそうした宣伝を始めたのは、世間へのイメージを良くするためであり、それは会社が最も優先する価値以上に大切なものではなかったのだ。
結果として、評価されたのは仕事と人生のバランスを取った社員、すなわち早く帰宅して家族と過ごした社員ではなかった。
会社の表向きの顔と本当の指針は全くの別物だ。その2つを見分けられないから、多くの社員が、職を失ったりするのである。
重要なのは技術や能力ではない
多くの社員が、「高い技術があり、まじめに働いて」いれば、職を失うことはないと信じている。
だが、たとえ最高の技能を持っていても、経営陣に信頼されなければ、雇用の安定を得られない。そして、信頼されるかどうかは、会社があなたのことをどう認識しているかで決まる。