2008年8月号掲載

知る、考える 裁判員制度

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著者紹介

概要

「裁判員制度」がいよいよ2009年5月からスタートする。早ければ、同年7月には、裁判員の加わる「裁判員裁判」が行われる見通しだ。本書では、市民がこの裁判にどう関わるのかを、選任から評決まで、実際の流れに沿ってわかりやすく解説。また、制度の問題点、社会やメディアに及ぼす影響などについても触れる。裁判員制度の全体像を知る上で、格好の1冊だ。

要約

裁判員になったら何をするのか

 2009年5月から裁判員制度が始まる。

 くじで選ばれた20歳以上の市民が地元の地方裁判所で裁判員となり、裁判官と共に殺人や危険運転致死など、重大な刑事事件の一審を担当する。

 1つの事件を担当するのは、原則として裁判員6人、裁判官3人。この裁判員が加わった裁判を「裁判員裁判」と呼ぶ。

 06年に起訴された刑事事件を元に試算すると、裁判員や補充裁判員(裁判員が病気などで欠員になった時に備え選ばれる)になる確率は、約4160人に1人である。

裁判員の選任

 では、裁判員制度の仕組みはどうなっているのか? その一連の流れは、以下の通り。

 裁判員の候補者になると、まず、地裁から翌年の「裁判員候補者名簿」に載ったとの通知が届く。名簿は、各市区町村の選挙管理委員会が有権者の名簿からくじで選び作成する。毎年作られ、前年の11~12月、候補者に「名簿記載通知」が届く。

 裁判員法と裁判員の辞退事由を定める政令には、希望すれば裁判員を辞退できるケース(辞退事由)が定められている。

 例えば、「重い病気やけがで、裁判所に行くことが困難」「重要な仕事があり、自分がやらなければ大きな損害が生じるおそれがある」などがあり、該当する場合には、同封の調査票で辞退を希望すれば配慮される見通しである。

 指定の日時に地裁に行くと、裁判員に選ばれた場合に担当する事件と被告名が告げられる。

 その後、当日用質問票が渡される。この質問票では、「被告人、被害者と関係があったり、捜査に関与するなど、事件と特別な関係があるか」などと尋ねられる。

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