2008年11月号掲載
超「超」整理法 知的生産力を飛躍的に拡大させるセオリー
著者紹介
概要
日々、増大する情報をいかに効率的に整理するか。著者はこの問題に対し、グーグルのメールサービス「Gメール」を活用することを提案。大量のデータを無料で蓄積・検索・通信できるGメールの機能を使えば、データを投げ込むだけで、自然に使い勝手のよいデータベースができると言う。すなわち、情報は分類せず、検索する。そんな新時代の整理法を具体的に説く。
要約
Gメール革命
「Gメール」は、インターネット検索サービス企業グーグルが提供しているメールサービスである。使い方はいたって簡単、しかも無料だ。
このGメールには、次のような特徴がある。
第1に、メールのログ(送受信したメールの記録)を保存するストーレッジ(貯蔵庫)の容量が約6GBと大きい。従って、全てのメールを添付ファイルとともに保存しておける。
第2は、検索機能が極めて強力であることだ。従って、メールで交信したものは、正確な日付などを覚えていなくても、随時引き出せる。
さらに、メールログを個人のデータベースとして使うことができる。これによって、メールの利用価値が飛躍的に増大した。
これまでも、ログ保存のサービスはあったし、メールのログに検索をかけることも可能だった。しかし、この両者を兼ね備え、しかもどちらも極めて充実しているものはなかった。
巨大なログ保存容量と強力な検索機能が結合したことで、新しい利用法が可能になったのである。
Gメールは単なる連絡用の道具というよりは、個人のデータ管理システムとして捉えるべきものであり、それは我々の情報処理活動に新しい地平を開くものと言える。
人名をキーとしてメールを読む
Gメールの強力な検索機能を使えば、人名を頼りに、メールを効率的に読める。
受信トレイにあるデータを特定の人名で検索すれば、その人名が含まれたメールが全て引き出される。これは、ほぼその人と交信したメールだ。
そして、ピックアップされたメールは、ほぼ時間順に並んでいる。だから、人名で検索するだけで、「人名」と「時間順」という2つのキーでデータを配列することになる。