2010年2月号掲載
まず、ルールを破れ すぐれたマネジャーはここが違う
Original Title :FIRST, BREAK ALL THE RULES
著者紹介
概要
優れたマネジャーは、どんな考え方に基づいて行動するのか。それを解明した書である。「部下の弱点を直そうとするな、強みを活かすことに専念しろ」「経験や知識ではなく、才能で部下を選べ」…。世界中の傑出したマネジャーに共通する“常識破り”の考え方、行動を、米国の調査機関ギャラップが行った8万人のマネジャーへのインタビュー調査を基に導き出す。
要約
優れたマネジャーの知恵
世界最高のマネジャーは、どのようにして才能がある従業員を発掘し、仕事に専念させ、企業内に引き留めているのか ―― 。
我々はこの質問に対する回答を求めて、個人企業、上場企業などで、優秀な人から平均的な人まで様々なマネジャーにインタビューをした。
その結果、優秀とされるマネジャーたちの共通項は、一般的に想像されている以上に少ないことがわかった。部下への動機づけや、その方向性、そして人間関係の構築などのスタイルはそれぞれ違っていた。
優秀なマネジャーは伝統的な常識に従わない
しかし、ただ1つ共通点があった。それは、新しく何かを始めようとする時に、まず伝統的な常識であるルールを破っているということだ。
その根底には、次のような共通の考えがあった。
「人はそんなに変わりようがない。足りないものを植えつけようとして時間を無駄にするな。その中にあるものを引き出す努力をしろ」
この考え方が、優れたマネジャーに備わった知恵の源泉だった。部下にどのように接するか、部下のために何をしているか、その全てがこの考え方に反映している。
優秀なマネジャーの4つの基本的役割
マネジャーの役割は、部下の内面に入り込んで、その部下ならではの才能を解き放ち、パフォーマンスに結びつけることだ。
こうした役割は、部下を1人ずつ相手にするのが最も効果的である。部下に個別に質問をし、話を聞き、そして一緒に仕事をする。マネジャーが1対1で接することこそ、企業の活力の源泉になっている。
この役割を果たすためには、マネジャーは次の活動をこなす能力を備えていなければならない。
「人を選ぶ」「要求を設定する」「動機づけをする」「育てる」という4つである。