2011年2月号掲載

決定版 ハーバード流“NO”と言わせない交渉術

Original Title :Getting Past No ―― Negotiating with Difficult People

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著者紹介

概要

「交渉」とは厄介なものである。たいていの場合、自分と交渉相手の利害は対立し、合意するのは難しい。そんな交渉の場で、自分の言い分を通すだけでなく、互いが納得できるように話をまとめる方法を説いた書である。交渉学の権威として各界の指導者にアドバイスしてきた著者が、人間心理の機微に踏み込んだ、「5段階のアプローチ」からなる交渉術を伝授する。

要約

ステップ1:相手の態度に反応しない

 交渉に臨む時、人にはある葛藤が生じる。

 強引に自分の主張を通す「ハード型交渉戦略」をとるべきか、感情的な対立を避けるために、なるべく自分を殺して譲歩する「ソフト型交渉戦略」をとるべきか、という葛藤である。

 それに対して「ハーバード流交渉術」は、両者の要素を併せ持つ。できるだけ共通の利益を見つけていこうというのが、基本的な姿勢だ。

 この交渉術は、次の5つのステップから成る。

*  *  *

 第1のステップは、「反応しないこと」である。

 困難な交渉の時、多くの人は本能的に反応する。

 例えば、誰かに攻撃された時、とっさに「反撃」する。相手が厳しい態度をとればとるほど、あなたもその度合いを強めるだろう。だが、たいてい、この戦法はあなたをムダな対立に追い込む。

 したたかな交渉相手は、あなたを居心地悪くさせ、早く合意するために譲歩するよう仕向けてくる。圧力をかけ、あたかも交渉の進展を妨害しているのはあなたなのだ、といったことを仄めかす。

 「なぜ結論をズルズル引き延ばすのか」などと言って暗示をかけられると、人のいいソフト型交渉者は、その圧力に負け、譲歩してしまう。

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