2011年3月号掲載
伝説の外資トップが説く リーダーの教科書
著者紹介
概要
著者の新将命氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソンをはじめ複数の外資系企業で社長を務めた人物。本書は、この“伝説の外資トップ”によるリーダー論である。豊富な体験を下敷きに語られる、リーダーの心得、磨くべきスキル等の話は、多くの気づきを読む者に与えてくれる。現在そして未来のリーダーにとって、まさに教科書といえる書である。
要約
リーダーであることの意味と責任
「どうすれば、もっとうまく組織を動かせるようになるのだろう?」「部下の意欲を高めて、活力ある組織を作るにはどうすればいいか?」…。
組織を率いるリーダーの悩みというのは、今も昔も変わらない。
難しい組織運営を担うリーダーが心得ておくべきこと。それには、次のようなものがある。
「サラリーマン」ではなく「ビジネスマン」になれ
良きリーダーになりたい。そんな思いを持つ人に、まず知ってもらいたいのは、サラリーマンとビジネスマンは違うということだ。
サラリーマンとは、何時から何時までと、決められた時間に仕事をする人のこと。ビジネスマンとは、会社に「結果」を出しにいく人のことだ。
経営学者、故ピーター・F・ドラッカーは言う。「報酬は貢献に対して与えられるべきである。単なる努力は賞賛の的にすぎない」と。
そもそも会社は、評論や努力で伸びるのではなく、結果の継続的な累積によって伸びるものだ。
会社が求める人材とはすなわち、結果が出せる人である。自分の仕事に関して「所期の目標」を達成し、結果が出せる。こういう“結果人間”だけが、会社にとって重要なのだ。
ところが驚くべきことに、その所期の目標すら決められていない会社もある。これでは結果の出しようがない。だからなのか、結果的に、サラリーマンが多くなってしまったのだ。
あなたの会社、そしてあなたはどうだろうか。
「付加価値」を意識せよ
組織の中で高い評価を得るのは、「付加価値」を意識した人である。会社を伸ばすという責任を果たす上で、プラス効果をもたらすからだ。