2011年11月号掲載
リーダーのための中国古典
- 著者
- 出版社
- 発行日2009年4月1日
- 定価785円
- ページ数323ページ
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著者紹介
概要
『論語』をはじめとする中国古典には、人間の営みに関する様々な知恵が説かれている。本書では、この中国古典の名言のうち、特に経営に参考になりそうなものを中心に紹介する。「窮すれば則ち変ず、変ずれば則ち通ず」「百里を行く者は九十を半ばとす」…。時代を超えた“原理原則”の数々は、先見力を磨き、逆境を乗り切る上で、大きな力となるだろう。
要約
中国古典の名言に学ぶ
中国古典では、人間の営みに関する万般の知恵が、様々な角度から説き明かされている。
リーダーとしての責任を果たす上で、そこから学ぶべきことは多い。例えば ――
今を疑う者はこれを古に察し、来を知らざる者はこれを往に視る。万事の生ずるや、趣を異にして帰を同じくするは、古今一なり
「現状を理解できない時は、昔のことから推察するがよい。未来を予測できない時は過去を振り返ってみるがよい。全て物事は、現れ方は異なっているようでも、その法則性は古今を通じて変わりがない」という意味である。
『管子』に出てくる言葉で、「洞察力や先見力を磨こうとするなら、歴史に学べ」ということだ。
では、歴史に学ぶメリットとは何か?
第1に、歴史の本というのはケース・スタディの参考書だ。この政治家はこんな政治をして国を滅ぼした、あの将軍はこんな戦略を使って勝利を収めた、そんな事例がたくさん記録されている。
従って、そうした事例の中から、現代を生きるための教訓を引き出すことができるはずである。
第2は、たくさんのケースを学ぶことによって、自ずから「興亡の原理」といったものを、おぼろげながらでも体得できることである。
およそ歴史というのは、国なり組織なりが興っては滅び、滅びては興りを繰り返してきた。その底に、ほぼ共通の要因を見てとることができるが、それが興亡の原理に他ならない。
従って、歴史の本を紐解くことによって、国なり組織なりがなぜ興り、なぜ滅びていったのか、その底を貫いている共通の原理を自分のものにすることが期待できるのである。
速やかなるを欲するなかれ。小利を見るなかれ。速やかならんと欲すれば、則ち達せず。小利を見れば、則ち大事成らず
孔子が弟子から、政治に取り組む心構えについて尋ねられた時、答えた言葉である。