2013年3月号掲載
2052 今後40年のグローバル予測
Original Title :2052
- 著者
- 出版社
- 発行日2013年1月15日
- 定価2,420円
- ページ数510ページ
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著者紹介
概要
地球の物理的限界に人類はどう適応すべきかを問い、世界的なベストセラーとなった『成長の限界』。同書出版から40年たった今、著者の1人、ヨルゲン・ランダース氏が、今後40年の世界を展望した。この先、人口はどうなるのか、食料とエネルギーは足りるのか、資本主義の行方は…。過去40年に起きたことを基に、「最も実現確率の高い未来」を予測する。
要約
これから40年で起こること
私は、ローマ・クラブの「人類の状況」に関する報告書、『成長の限界』に深く関わった。
それは、2100年までにこの世界がどうなるかというシナリオをいくつも紹介し、人類が何をすべきかを広く世に訴える試みだった。
『成長の限界』が出版されたのは1972年。それから40年が過ぎた。地球環境、エネルギー問題、世界経済…。今日私たちは、この40年間で何がなされ、何がなされなかったかを知っている。
今、そこから教訓を引き出し、次の40年を見ようとするのは理にかなっているだろう。
人口は頭打ちに
地球の未来を案じる人々は、とりわけある1つの問題を心配している。それは、人口の増加だ。人間の数と消費が天然資源の限界を超えているのは事実であり、今後もその状況は続くだろう。
では、今後、人間の数はどうなるのか?
世界の総人口は2040年代初めに約81億人でピークを迎え、その後は減少していく。女性1人当たりの子どもの出産数が減り続けるからだ。
世界の総人口が減少していく主な理由は、飢餓でも環境汚染でもなく、都市に住む何十億もの世帯が、自発的に子どもの数を減らすことである。
すでに世界人口の半分以上が都市部に住んでいる。この割合は、発展途上国の工業化が進むにつれ、さらに増えるだろう。
都市の生活では、子どもが1人増えるということは食べる口が1つ増え、学校へ通わせるべき人間が1人増えるということであり、農作業を手伝ってくれる人間が1人増えるわけではないのだ。
子どもは少ない方がいいと考えるのは、先進国の共働き夫婦だけではない。新興国の都市部に住む無数の貧しい家族も、貧困から逃れるために同じ選択をする。