2013年6月号掲載

「超」説得法 一撃で仕留めよ

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著者紹介

概要

日々の仕事の中で、誰かを説得する場面は多い。一般に、その秘訣は“言葉を尽くし辛抱強く”とされるが、本書が説くのは、短い言葉の「一撃」で相手の心を摑むというもの。シェイクスピアの『マクベス』に出てくる魔女の話術、イエス・キリストが使った比喩のテクニックなど、興味深い事例の数々とともに、ビジネスの難局を一撃で突破する説得法が説かれる。

要約

一撃で仕留めよ

 「超」説得法とは、瞬間的に相手の心を摑む方法である。「一撃で仕留める方法」と言ってもよい。

 これは、「説得には、言葉を尽くし、時間をかけて辛抱強く」という従来の常識を覆すものだ。

 そんなことが、可能なのか?

 可能だ。単に可能であるばかりか、「言葉を尽くす」という常識的な方法より、強力である。

だらだらした答えでは駄目

 私はこれまで、入学試験や学位論文の口頭試問で、試験者の側の経験を何度もした。その経験を通じて言えるのは、「だらだらと、次から次へといくつも論点をあげるのは、駄目」ということだ。

 論文審査試験で、発表の内容が一向に要領を得ない。しびれを切らして、「君の言いたいことは、要するに何なのか?」と聞くことがよくある。

 これに対して、「要するに、資金需要がなければ金融政策は効かないということです」というような答えが返ってくれば、合格だ。後の説明がいくら長くなっても、興味を持って聞く。

 だが、「適切な一言」が返ってこないことが多い。内容がないから、一言で要約できないのだ。不合格にして、まず間違いがない。

沢山投げるのは、自信がないから

 この質問に対し、何点もあげては駄目だ。その中で、試験委員が攻撃しやすい本だけがピックアップされ、意地悪質問の餌食になる危険がある。

 まず、一点あげる。できれば、あまり一般的でなく、試験委員が読んでいないと思われる本がよい。ひるんだ様子が見えたら、しめたもの。後は長々と説明する。止められるまで話し続けてもよい。面接試験はこちらのペースで終わるだろう。

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