2014年6月号掲載
ダボス会議に見る世界のトップリーダーの話術 言葉を超えたメッセージの戦い
著者紹介
概要
ダボス会議。それは、政治家、企業家、文化人など、世界のトップリーダーが集う場。公式会議の他、政府首脳同士の個別会談、世界的企業のCEO同士の商談等、様々な会合が行われる。話し手、聞き手ともに一流の人々で、発言者は聴衆に厳しく“値踏み”される。そんなダボス会議のメンバーである著者が、トップリーダーが使っている「最高の話術」を紹介する。
要約
「言葉を超えたメッセージ」の戦い
毎年1月、スイスの国際的リゾート地・ダボスに、政界、財界、官界、文化人など、世界のトップリーダー2500名が集まり、様々な会議を行う。
それが「ダボス会議」である。主催者は「世界経済フォーラム」。1971年に設立されたNPOだ。
このダボス会議とは、ある意味で、「世界のトップリーダーの品評会」でもある。
例えば、あるセッションに、ある世界的企業のトップが登壇する。会場には100人近い聴衆が集まる。その聴衆の誰もが世界のトップリーダーだ。
その発言を聴きながら、彼らは、そのCEOの「値踏み」をするのだ。
そう述べると、読者の多くは、「そうか、では、そうした重要な場では、発言内容をしっかり準備しなければ…」と思うかもしれない。
しかし、実は、問題は「発言内容」ではない。聴衆が見ているのは、「人物」である。
リーダーとしての信念はあるか。覚悟は定まっているか。ビジョンは明確か。志や使命感を抱いているか。そういったことを、聴衆は見ている。
では、そうした厳しい眼差しの聴衆を前にした時、どう処すべきか?
次の事実を、深く理解すべきであろう。
スピーチや発言においては、「言葉のメッセージ」以上に、「言葉を超えたメッセージ」が、聴衆に伝わる。