2014年6月号掲載
TED 世界を魅了するプレゼンの極意
Original Title :HOW TO DELIVER A GREAT TED TALK:Presentation Secrets of the World's Best Speakers
著者紹介
概要
経営者、脳科学者、料理人など、各界の著名人がプレゼンテーションを行う世界的イベント「TED」。聴衆の心を魅了してやまない、このTEDのプレゼンを徹底分析し、優れたスピーチの共通点と極意を解き明かした。心に残る強力なフレーズを繰り返す、導入部で聞き手の心をつかむ、ユーモアを交える等々、ワンランク上のスピーチを行うためのヒントが満載。
要約
TEDトークで成功するために
TEDトークを見たことがある人は、ケン・ロビンソン、サイモン・シネック、ダニエル・ピンクといった人々のプレゼンテーションに刺激を受け、心を揺さぶられたことがあるだろう。
TEDトークはなぜこれほど人を感動させるのか。TEDトークのプレゼンテーションを成功させる秘訣は何か。その秘訣を学び、自分自身がプレゼンテーションやスピーチで聞き手の心を動かすにはどうしたらいいのだろうか。
パワーフレーズを繰り返す
プレゼンテーションが終わった時、聞き手は内容の20%を忘れている。次の日には50%、4日後には80%を忘れる。
プレゼンテーションが記憶に残るようにするには、どうすればいいのだろうか。
コアメッセージを心に残るフレーズにし、プレゼンテーションの間に繰り返せば、聞き手はそれを覚える。そのフレーズをパワーフレーズと呼ぶ。
パワーフレーズは10語(日本語だと50字程度)以内に収める。それ以上長いと、覚えにくい。
心に残るパワーフレーズを作るためのテクニックを、いくつか紹介しよう。
- ・対比:2つの異なるものを並べて、記憶に残るフレーズにする。
「私たちが最も怖れるのは、自分の闇ではなく、光である」(マリアン・ウィリアムソン)
- ・交差対句法:関連する2つの節の構造を反転させる。
「国があなたのために何ができるかを問うのではなく、あなたが国のために何ができるかを問うのです」(ジョン・F・ケネディ)
- ・押韻:韻を踏んだ言葉は覚えやすい。
「思い描き信じられることは、全て実現可能である」(What the mind of man can conceive and believe, it can achieve.)(ナポレオン・ヒル)
聞き手の心をつかむ導入部
導入部は、結びの部分と並んで、最も重要である。だから、何度も推敲しなければならない。