2014年12月号掲載
How Google Works 私たちの働き方とマネジメント
Original Title :How Google Works
- 著者
- 出版社
- 発行日2014年10月8日
- 定価1,980円
- ページ数371ページ
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著者紹介
概要
グーグル首脳が自社の成功の秘密を初公開! 同社のエリック・シュミット会長らによれば、テクノロジーが進歩し、すべてが加速化している今日、ビジネスで成功する最良の方法は、多面的な能力を持つ新種の従業員「スマート・クリエイティブ」を惹きつけ、彼らの目標を達成できるような環境を与えることだという。その方法を、同社における事例とともに紹介する。
要約
「スマート・クリエイティブ」
今日、私たちは全く新しい時代、「インターネットの世紀」に生きている。テクノロジーが産業界を揺るがし、変化は加速している。
すなわち、情報、インターネットへの接続、コンピューティング能力、これら3つの生産要素が安くなり、企業に破壊的な影響を及ぼしている。
この変化は、労働市場も大きく揺さぶっている。今日の労働環境は、20世紀とは本質的に異なる。
3つの生産要素が安くなったことで、実験のコストは安くなり、部署を越え、大陸や海を越えての協業も簡単にできる。その結果、1人の人間が途方もないインパクトを生み出せるようになった。
こうした、情報を活用する仕事を行う人々、「モノを考えることを生業とする人々」を表す言葉として定着しているのが「知識労働者(ナレッジ・ワーカー)」だ。この言葉は、1960年代以降、広く使われるようになった。
通常、知識労働者は、限られたスキルにとことん習熟することで成功する。そのほとんどは、専門分野には秀でていても能力に幅がない。
この伝統的な知識労働者と、ここ十数年私たちが一緒に働いてきたグーグルのエンジニアをはじめとする優秀な人材は、タイプが全く違う。
グーグルの社員は特定の任務にしばられない。リスクテイクをいとわず、またそうしたリスクを伴う取り組みが失敗しても処罰や不利益を受けない。職務や組織構造に束縛されず、むしろ自分のアイデアを実行に移すよう奨励されている。
要するに、少なくとも従来の意味での知識労働者ではないのだ。私たちが「スマート・クリエイティブ」と呼ぶ新種で、インターネットの世紀での成功のカギを握る存在だ。
彼らは、テクノロジーのもたらすツールを使って価値あることをしたいという、意欲と能力のある人たちだ。その共通点は、努力をいとわず、これまでの常識的方法に疑問を持ち、新しいやり方を試すことに積極的であることだ。
今日、成功している企業の特色は、最高のプロダクトを生み出し続ける能力だ。それを手に入れるには、経営の原則を見直し、スマート・クリエイティブな社員たちが真価を発揮できるような労働環境を生み出し、維持することだ。