2015年1月号掲載
伝説の外資トップが公開する 世界標準のNEMAWASHIの技術
- 著者
- 出版社
- 発行日2014年11月7日
- 定価1,650円
- ページ数235ページ
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著者紹介
概要
仕事や人間関係がうまくいかない原因の8割は「ネマワシ」不足 ―― 。ジョンソン・エンド・ジョンソンなど外資3社で社長を歴任した著者曰く、洋の東西を問わず「ネマワシ上手」はビジネスパーソンにとり重要なスキルであり、これなしでは一流になれない。本書では、世界で通用する“NEMAWASHI”とはどのようなものか、日本的根回しとの違いを示しつつ語る。
要約
NEMAWASHIの重要性
「ネマワシ」は日本固有のもののように思われがちだが、決してそうではない。程度と形の差はあるにしても、欧米にもある。それは、日本的「根回し」とは少し違う、「NEMAWASHI」だ。
NEMAWASHIは「必要悪」ではなく「必要善」
1972年、米国と中国が国交正常化へ向けて動きだした時にも、NEMAWASHIがあった。
この時の表舞台の主役はニクソン米大統領、そしてNEMAWASHIの主役は大統領補佐官のキッシンジャーだ。彼は秘密裏に、あるいは正式に、何度も中国を訪問して下準備を整えていた。
日本では、とかく根回しを陰湿でネガティブなものと捉える傾向がある。それは、根回しが本質的に水面下の動きであることに原因の1つがあるのかもしれない。そのためか、日本では根回しを「必要悪」のように捉える人も少なくない。
だが、もしキッシンジャーの行動が事前に露見していたら、米中の国交正常化は覚束なかったわけだから、水面下のNEMAWASHIは必要悪どころか、むしろ「必要善」だったといえるだろう。
欧米では、水面下で行われるNEMAWASHIに、抵抗感や嫌悪感を覚える人はいない。水面下で中国と交渉したキッシンジャーを何か後ろ暗く、胡散臭い行動をした人と見る人は皆無である。
ブランド戦略とNEMAWASHIは相通じる
ブランド戦略とNEMAWASHIにはかなり共通する部分がある。どちらも「コミュニケーション」が基本だから、コミュニケーションの原理に反する行動をとれば、いくら努力しても成功は覚束ない。
ブランド戦略の構成は、次の3段階である。
- ①商品を知ってもらう(商品の認知度を上げる)
- ②好ましい商品だと感じてもらう(好感度を上げる)
- ③商品の価値を感じ共感してもらう(ブランド価値の形成)
NEMAWASHIもほぼ同じプロセスを辿る。いくらよいアイデアを持っていても、組織に承認してもらえないことには実行には移せないから、NEMAWASHIでは、まず、そのアイデアの存在を関係者に知ってもらうことから始める。
第2段階では、そのアイデアが組織の抱える問題の解決や業績アップに効果があることを相手に理解してもらう。
第3段階でアイデアに賛同を得て、さらに成立のために協力し合う仲間になってもらうのである。