2017年7月号掲載

決定力! 正しく選択するための4つのステップ

Original Title :DECISIVE:How to Make Better Choices in Life and Work

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著者紹介

概要

副題「正しく選択するための4つのステップ」。人が決断を下す時、陥りがちな罠が4つあるという。「視野の狭さ」「思い込み」「一時的な感情」「自信過剰」だ。これらを回避し、適切な選択をするための4つのステップ「WRAP」を、多彩な例とともに紹介する。仕事や人生を左右する、「決定力」を高めるための良きガイドである。

要約

意思決定の4つの罠

 心理学者のダニエル・カーネマンは、人間の意思決定が経済学者の思うほど合理的ではないことを突き止め、その研究でノーベル経済学賞を受賞している。

 例えば、私たちは意思決定の際、「利点と欠点」リストをよく使う。メリットとデメリットの両方を探し、最終決定を下す。

 しかし、心理学研究によれば、人の思考には利点と欠点モデルでは太刀打ちできない、様々なバイアス(偏見)がある。意思決定を改善したいのなら、そのバイアスの仕組みを学ばねばならない。

 まずは、「意思決定の4つの罠」を見ていこう。

①視野の狭窄

 意思決定の第1の罠は「視野の狭窄」である。視野の狭窄とは、選択肢を狭めすぎ、意思決定を白か黒かで見てしまう傾向のことだ。

 私たちは、「2人の関係をもっと良くする方法は?」と考える代わりに、「恋人と別れるべきか否か?」と考えてしまう。他の選択肢を無視し、1つの選択肢にスポットライトを当ててしまう。

②確証バイアス

 私たちは、ある状況について直感的に信念を抱いた後、その信念を裏づける情報を探すという習慣がある。この「確証バイアス」と呼ばれる厄介な習慣こそ、意思決定の第2の罠だ。

 例えば、特定の政党の支持者は、自分の考え方を裏づける情報源は探しても、別の政党の意見に目を向け、自分の信念を疑うことはめったにない。

③一時的な感情

 第3の罠は「一時的な感情」だ。

 難しい決断に直面すると、感情が揺さぶられる。思考が堂々めぐりする。毎日のように心変わりする。ああでもない、こうでもないと悩んだ挙げ句、目の前が見えなくなる。

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