2018年7月号掲載
姿勢も話し方もよくなる 声のつくりかた 自然とみんなを惹きつける43のレッスン
著者紹介
概要
長年、第一線で活躍するアナウンサーや経営者などに声や表現法について指導してきた著者が、劇的に印象を上げる「声のつくり方」を説く。カギとなるのは、「姿勢」と「呼吸」。この2つを整えることで、聞き手を惹きつける「いい声」が出せるようになるという。そのためのトレーニング法、実践のポイントをわかりやすく紹介する。
要約
みんなを惹きつける「声」の魔力
初めて会った人に対して、第一印象で「なんとなく○○そうな人だな」と、思うことがないだろうか? 優しそう、内気そう、胡散臭そう…等々。
では、その第一印象は何で決まるのか。
顔立ち、服装など色々と目に映るものはあるが、僕は「声と姿勢」だと思う。実は見た目はもちろん、声の調子でも、そうと気づかず無意識のうちに、人は相手を判断しているのだ。
どんな人か一瞬で判断させる「声と姿勢」の力
ただし、現代人の多くは、自分の声と姿勢をさほど重視していない。「話す」ことに焦点をあてると、多くの人が内容にばかり気を取られている。
これは実にもったいないことだ。人が、自分の話を聞いてくれる ―― 。一見何気ない行動に見えるが、それは思っている以上に「ハードルの高い」行為である。一連の行為を分解してみよう。
まず、あなたが目の前に現れると、相手はあなたのことを見る(姿勢を含めた見た目をチェック)。
次に、あなたが挨拶すると、「どんな人だろう?」と、興味を示す(声をチェック)。
あなたが話をすると、相手はあなたのことを、感じがいい、信頼できる、などと判断し、話に耳を傾ける。それからようやく、あなたの話の内容が頭に入ってくるのである。
このように、相手はあなたの話を聞くまでに、多くのプロセスを経ている。そして、この段階で、話を聞くか聞かないかを判断してしまうのだ。
「いい声」の基準とは何か
では、相手に自分の話を聞いてもらいたい時は、どうすればいいのか。
答えは、相手が話を聞きたくなるような、気持ちのいい声を出すこと。感じのいい声と話し方をする人の話には、誰もが自然と聞き入ってしまうはずだ。では、「いい声」とはどんな声か?