2019年1月号掲載

究極の鍛錬 天才はこうしてつくられる

Original Title :Talent Is Overrated

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著者紹介

概要

タイガー・ウッズやジャック・ウェルチ。我々はこうした人々を「天才」の一言で片づけがちだ。だが、彼らの偉業は天賦の才ではなく、上達するために考え抜かれた、辛く厳しい努力の賜物だという。この「究極の鍛錬」と著者が呼ぶ、ハイパフォーマンスを上げる人々に共通する要素を、心理学の成果を基に解明する。

要約

成功する人はどこが違うのか?

 仕事、スポーツなどの活動において、真に「偉大な業績」を上げる人はほんの一握りに過ぎない。

 世の多くの経営者は、GEのジャック・ウェルチのようにはなれない。また、多くのゴルファーは、タイガー・ウッズのようにはなれない。

 ほとんどの人は、恐らく勤勉に取り組んでいる。中には、20年、30年と長期間にわたって取り組んできた人たちもいるはずだ。なのに、なぜ偉業を達成できないのか?

業績に対する誤解

 なぜある種の人だけが素晴らしい業績を上げるのかという問いに対し、多くの人がその答えだと考えるものが2つある。

 1つは「努力」だ。確かに、人は懸命に頑張れば、著しい上達を示す。とはいえ、単に努力するだけでは、ずば抜けて物事ができるようにはならない。

 2番目は「才能」だ。だが、様々な研究結果によると、高業績を上げる人の能力は驚くほど平均的である。研究者の中には、「才能それ自身の存在を証明する証拠はない」と主張する者もいる。

 では、一流と二流を分けるものは何なのか?

一流と二流を分けるもの

 1990年代初頭、優秀な音楽家を輩出することで有名な西ベルリン音楽学校で、なぜある特定のバイオリニストが他より素晴らしいのかを明らかにするための研究が行われた。

 そして、全被験者の個人的データを収集した。何歳で音楽を始めたか、どんな先生についたか、演奏を始めて以来、週に何時間練習してきたか…。

 得られた膨大なデータを分析したところ、多くの点で3つのグループのバイオリニストは似通っていた。だが、1つ大きな違いがあった。それは、バイオリンを始めてからこれまでの、累積総練習時間である。

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