2019年5月号掲載
ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう
Original Title :BRIEF ANSWERS TO THE BIG QUESTIONS
- 著者
- 出版社
- 発行日2019年3月15日
- 定価1,650円
- ページ数254ページ
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著者紹介
概要
「ビッグ・クエスチョン」 ―― 誰も解き明かしていない“究極の問い”に、車いすの天才として知られるホーキング博士が挑んだ。神は存在するのか? 人工知能は人間より賢くなるのか? 等々、多くの人が抱く10の疑問に、わかりやすく答える。理論物理学をはじめ深い知恵に裏打ちされた、刺激的で洞察に満ちた1冊である。
要約
神は存在するのか?
人はいつの時代も、「ビッグ・クエスチョン」に対する答えを求めてきた。私たちはどこから来たのか? 宇宙はどのように始まったのか?
私はこれまで、理論物理学を使うことで、ビッグ・クエスチョンに答えようとしてきた。
たいていの人は、科学は難解なので理解できないと思っている。しかし、それは違う。数式を使わずにわかりやすく説明されれば、たいていの人は基本的な考え方を理解できる ―― 。
*
私たちはどこから来たのか? 昔、答えは常に同じだった。神が全てを作った、と。だが、今では科学が、もっと矛盾のない良い答えを与えている。あらゆることは、自然法則で説明できる。
自然法則と神の役割
私は、自然法則(物理学の法則)の発見こそは、人類の最も偉大な業績だと考えている。なぜなら、宇宙を説明するために神が必要かどうかを教えてくれるのは、自然法則だからだ。
中でも重要なのは、自然法則は変えられないということ、ボールの飛び方や惑星の運動など、宇宙で起こること全てに当てはまる、ということだ。
もしあなたがこの事実を受け入れるなら、こんな疑問が浮かぶだろう。では、神の役割は何か?これは科学と宗教の大きな対立点だ。神を、自然法則を体現するものと定義してもいいだろう。
しかし、ほとんどの人は、神をそう捉えていない。神は人間のように人格的な関係を取り結べる相手だと思っている。だが、広大な宇宙の中で、人の生涯がどれほどちっぽけかを直視する時、そんなことはとうていありそうにない。
私は「神」という言葉を、人格を持たない自然法則という意味で用いる。従って、神の心を知るということは、自然法則を知るということだ。
宇宙を作る3つの要素
宇宙を作るには、3つの要素があればよいことがわかっている。物質、エネルギー、空間だ。