2019年5月号掲載
FBIアカデミーで教える心理交渉術 どこでも使える究極の技法
Original Title :You Can Negotiate Anything
- 著者
- 出版社
- 発行日2015年1月5日
- 定価935円
- ページ数284ページ
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著者紹介
概要
仕事の期限を交渉したり、店頭で価格を交渉したり。私たちは、ビジネスや生活の様々な場面で、日々交渉を行う。FBIアカデミーで教鞭を執った交渉戦略コンサルタントが、こうした駆け引きに勝つための秘訣を説いた。交渉能力の高め方、交渉期限の原則、情報収集術など、あらゆる場面で応用できるプロのテクニックが満載だ。
要約
交渉パワーを高める秘訣
我々の住む社会は、巨大な交渉の場である。そして、好むと好まざるとにかかわらず、あなたもその参加者だ。家族、店員、ライバル、あるいは会社などとあなたの間には、様々な衝突があるだろう。それらをどう操るかが、幸福な毎日を送れるかどうかの瀬戸際となる。
外交交渉から家の購入にいたるまで、交渉はすべて、必ず次の3大要素を持つ。
「力」「時間」「情報」
交渉能力とは、力、時間、情報を分析して相手の行動に影響を与える力のことである。いかにこの3点を自覚するかによって、あなたが満足するか否かが決まる。では、これらの要素をどう分析すればいいのか。まずは、力についてみてみよう。
できると思えば必ずできる
力は物事を成し遂げる技量あるいは能力であり、人、出来事、状況、そして自分自身を支配する。さらに、どんな力も自覚の上に成り立っている。自分に力があると思うなら力があるし、ないと思うなら、たとえあったにしてもないことになる。
その意味を具体的に説明しよう。
独房に入っている囚人を想像してほしい。この囚人が看守に「タバコが欲しい」と言う。看守は、囚人は無力だと思っているので、取り合わない。
すると囚人は、次のように言う。
「くれないなら、頭を壁に打ちつけて、血だらけになって倒れてやる。所員が駆けつけてきたら、おまえがやったと言ってやる。俺の言うことなんか信じやしないだろうが、あんたは事情聴取に全部顔を出さなきゃならない。それもこれも、たった1本のタバコを俺にくれなかったためだ!」
看守はどうしただろうか? 彼は囚人にタバコを渡し、火をつけてやった。それは看守がすばやくこの状況の損得を分析したからだ。
囚人は、機敏に計算し、自分に力があると信じることで、タバコを手に入れた。