2019年8月号掲載
サブスクリプション2.0 衣食住すべてを飲み込む最新ビジネスモデル
- 著者
- 出版社
- 発行日2019年6月24日
- 定価1,760円
- ページ数253ページ
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概要
定額で、かけ放題。電話通話料などで設定されていた「サブスクリプション」型のサービスが、今、進化を遂げつつある。高級バッグ借り放題、月額制飲み放題など、画期的なサービスが続々と登場しているのだ。本書は、このビジネスモデルの最新事情を徹底取材。数々の企業の取り組みから、サブスクビジネスの勘所を学べる。
要約
進化するサブスクリプション
この5年、10年で、衣食住すべてのモノの売り方、買い方が一変する ―― 。その原動力となるのが「サブスクリプション(サブスク)」モデルである。トヨタ自動車、パナソニックなどの業界大手が、先を急ぐように参入している。
3つの新潮流
サブスクとは、「製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払う方式」のこと。
これは、決して新しい概念ではない。カタログ通販事業者などは「頒布会」と称して、月額会費制で毎月季節の食材などを届けるサービスを長らく展開している。
では、なぜ今、サブスクが脚光を浴びるのか。今までとは何が違うのか。ポイントは3つある。
1つ目は、「メーカーの参入」。従来、サブスク型ビジネスを運営するのは小売り・サービス業が一般的だった。そこヘメーカー本体が、自社商品をサブスク型で提供する動きが活発化している。
2つ目は、「シェア」の概念が入ってきたこと。昨今の「所有から利用へ」という消費者ニーズ・価値観に即したサービスが登場している。
3つ目は、「個別カスタマイズ化」だ。頒布会は「今月は○○産の桃をお届け」といった具合に、会員に一律同じ商品を送るのが一般的であるのに対し、近年登場しているサブスクは、利用者の趣味・嗜好に合ったものを個別に送る・選べるパーソナライズドサービスになってきている。
通販企業などが展開してきた頒布会モデルや消耗品の定期購入を“サブスク1.0”とするなら、これら3つの特徴を持つ昨今の新サービスは“サブスク2.0”といえる。
以下、様々な分野における事例を紹介しよう。
衣:ラクサス・テクノロジーズ「ラクサス」
ラクサス・テクノロジーズが展開する、サブスクサービス「ラクサス」。これは、エルメス、ルイ・ヴィトン、プラダなど53ブランド、3万個超の高級バッグを月額6800円で好きなだけ利用できる、というものだ。
利用者はスマートフォンアプリを使って、使いたいバッグを選んで予約する。バッグは借り続けることができ、自分の好きなタイミングで返却できる。別のものを使いたくなった場合にはアプリから手続きをして返却し、別のバッグを選んで予約する。往復の送料は無料である。