2020年7月号掲載
WHO YOU ARE 君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる
Original Title :WHAT YOU DO IS WHO YOU ARE
著者紹介
概要
組織の成功のカギ。それは業績でも製品でもなく、「文化」だ。チンギス・ハンら、歴史上の人物たちも、組織文化を創り上げることで成功した。では、どうすれば優れた組織文化を築けるのか? 資金ショートや株価急落など、様々な苦難をくぐり抜けてきた起業家が、18年かけて見いだした、困難を乗り越える文化の創り方を明かす。
要約
歴史上の人物に文化を学ぶ
「企業文化に気をつけろ。なによりも文化が重要だ」
私が初めて起業した時、業界の大物たちにアドバイスを乞いに行った。すると、みんな異口同音に、そう教えてくれた。
だが、彼らに「企業文化って具体的には何のことですか? どうやってつくればいいんですか?」と聞いてみると、あやふやな答えしか返ってこない。その答えを見つけるのに、それから18年も費やすことになってしまった ―― 。
企業文化とは?
次の質問について、考えてほしい。
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- ・契約の交渉で、重要なのはどちらだろう。価格か? それとも両社の提携関係か?
- ・5時に帰宅していいか? それとも8時まで会社にいるべきか?
- ・新製品の色味の話し合いを5分で終えていいか? 30時間かけた方がいいか?
- ・勝つことは、倫理より大切なのか?
こうした質問に「正しい答え」はない。その会社の今の姿、その行動、これからなりたい姿によって答えは変わってくる。
つまり、社員がこれらの質問にどう答えるかが、その企業の文化なのだ。トップがいないところで、人々がどんな判断をし、どう行動するか。社員が日々の問題解決に使う一連の前提が、企業文化である。
文化づくりを、歴史上の人物から学ぶ
文化が、組織に強い影響を与えることは明らかだ。では、どうやって文化を形づくればいいのか。
私は昔から歴史に興味があった。歴史的背景や文化が人々の考え方をどう形づくったかを理解することで、歴史上の人物が、自分とその文化を変えるためにどんな努力が必要だったかがわかる。
私が望んだ組織文化をつくり出すカギは、ここにあるように思えた。そこで歴史上の人物の中から、自分の望む文化をつくることに大成功したお手本を選び、調べてみた。
ルーベルチュール:文化と革命
人類の長い歴史の中で、国家独立につながった奴隷による革命は1つしかない。ハイチ革命だ。リーダーは、トゥーサン・ルーベルチュール。