2020年10月号掲載

OODA Management 現場判断で成果をあげる次世代型組織のつくり方

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著者紹介

概要

新型コロナウイルスの問題など、今日の企業経営は、想定外の事態に翻弄されがちだ。生き残るには、計画にこだわらず、状況に応じて柔軟かつ迅速に対応する必要がある。本書は、そのための枠組み、「OODA」ループ(観察→情勢判断→意思決定→行動)の考え方と、それを経営の中で「仕組み化」していく方法を明らかにする。

要約

不確実性への対応

 昨今の新型コロナウイルスの問題に代表されるように、現在の企業経営は想定外の不確実性に翻弄されるのが特徴である。

 「不確実性の中での決断」は難しい。確実な状況の中でのマネジメントは、そんなに難しいものではない。計画を立て、進捗状況をチェックし、必要に応じて軌道修正すればよい。一方、不確実な状況のもとでは、詳細な計画立案はほとんど意味をなさない。

不確実な状況ではスピードが重要

 かつて米国のアップル社を訪ねた時、「当社では、3カ月計画を事業計画といい、1カ年計画を中期計画と呼びます」と言われたことがある。

 では、日本企業で一般的な3カ年計画、5カ年計画は何と呼ぶのかと尋ねたところ、「それはドリームといいます」という回答だった。つまり、3~5年先など考えても意味がないということだ。

 不確実な状況の中では、スピードが重要になる。状況は刻一刻と変化していくため、その変化のスピードに追い付く必要がある。

 もちろん、やみくもにスピードを重視しなければならないというわけではない。変化のスピードは業界によっても異なる。不確実性下でのマネジメントは、経営のスピードを環境変化のスピードに合わせるということにポイントがある。

 計画通りに動くと、「不測の事態」が生じた場合にどうしても停滞する。この不測の事態には、トラブルや新たなチャンスも含まれる。計画があるがゆえに、トラブルやチャンスへの柔軟かつ迅速な対応が束縛されてしまうことになるのだ。

「OODA(ウーダ)ループ」が成果をもたらす

 では、不確実性が高い状況ではどうすべきか?

 OODAループは、「観察(Observe)→情勢判断(Orient)→意思決定(Decide)→行動(Act)」という一連の活動から構成される。

 観察とは情報収集のことで、情勢判断は収集された情報を解釈すること。その解釈に基づいて現場で何らかの意思決定を下し、実行に移す。

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