2021年8月号掲載
超加速経済アフリカ LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図
著者紹介
概要
多くの人がスマホを持ち、モバイルマネーを使い、巨大ショッピングモールは大賑わい ―― 。これが、今のアフリカだ! アフリカと聞くと、スラムや飢餓、内戦などが思い浮かぶが、それは一部のこと。本書は、加速度的に発展しつつある当地の現状、日本人が知らない本当の姿を伝える。アフリカのイメージが変わる1冊だ。
要約
アフリカは大きくて、若い
アフリカと聞いて、何を思い浮かべるだろうか? スラムや飢餓、また内戦ではないか。
もちろん、それもアフリカの一端ではあるが、ほんの一部である。多くの日本人は、本当のアフリカを知らない ―― 。
アフリカ大陸はインドの10倍も大きい
アフリカについて、まず驚くこと。それは、想像していたよりもはるかに大きい、ということだ。
面積は、インドの10倍、日本の80倍。そこには、米国、中国、インド、欧州、メキシコ、日本がすっぽりと入ってしまうくらい大きいのだ。
アフリカの若さ
また、年齢の圧倒的な若さも、アフリカの特徴である。0歳から順に並べてちょうど中間となる人の年齢(中位年齢)は、日本は48.4歳。一方、アフリカ全土では19.7歳(2020年)。要するに、とても若い人が多い。
アフリカの持つ、この「若さ」は何を意味するのか。注目したいのは、「生産年齢人口比率」のピーク予測である。全人口のうち、15~64歳の働ける人口がどれだけいるか、というのが生産年齢人口比率だ。
日本のピークは、70%前後だった1960年代から80年代の終わりくらいまでだった。今、まさにピークを迎えているのが中国だ。中国の生産年齢人口比率は2000年頃から70%を超えるまでになったが、すでにピークを終えて下落に転じている。
これからピークを迎えるのがインドや中東だ。インドは2040年くらいにピークを打つ。そしてその後、ピークを迎えるのが、アフリカである。しかも、このピークは長く続きそうだ。
生産年齢人口とその国の経済のピークはリンクする。中国は2028年頃には、米国のGDPに追いつくと予測されている。インドも中国、米国と肩を並べる規模になる可能性がある。
そして2050年以降から、最後の成長大陸としてアフリカが、世界経済主要地域に出てくる可能性がある。