2021年12月号掲載
「不確実性」超入門
- 著者
- 出版社
- 発行日2021年10月1日
- 定価935円
- ページ数397ページ
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著者紹介
概要
「不確実性」が今、世界を覆っている。新型コロナのパンデミック、株式相場の乱高下…。複雑化する現代社会では、思いもよらぬ出来事が起こる。これらに対処するには、不確実性を理解し、それがもたらすリスクを制御する必要がある。そんな「想定外の時代」の必須教養を、常にリスクと向き合う金融市場のプロが解説する。
要約
ランダム性
新型コロナウイルスの感染拡大。それは、単に公衆衛生上の問題にとどまらず、社会、経済、政治にも大きな影響を与えている。これだけの重大事を、なぜ事前に予測できなかったのか?
実は、感染症の脅威は広く認識されていた。しかし、予測には限界がある。予測できることは、「未知のウイルスによる感染症がどこかの時点でどこかの地域に発生し、それが何らかのルートを通じて世界に拡散し、甚大な影響を及ぼす可能性が高まっている」ということまでだ。
予測は抽象的で漠然としたもので、感染症の脅威をある程度正確に予測できたとしても、その発生時期や感染ルートまでは正確に予測できない。
予想外の事態に、その都度対応していかなければならないという部分はどうしても残るのだ。
未来のデキゴトには多かれ少なかれ、不確実な要素が含まれる。そして、不確実性に対しては、不確実性への対処の仕方がある。
「ランダムである」とはどういうことか
では、不確実性をもたらすものは何か?
第1の不確実性の源は、「ランダム性」である。
ランダムとは、偶然によってデキゴトの経過や結果が左右されること。例えば、サイコロを振る前はどの目が出るかわからない。結果は偶然によって左右される。事前にわかっているのは、どの目も出る確率が6分の1ずつということだけだ。
これが、ランダムの基本的な性質だ。つまり、あらかじめいえることは確率だけであって、正確な結果を前もって予測することはできない。
ランダムな動きにおけるこの予測不能性が、不確実性を生む。
ランダム性に起因する不確実性に対処する方法
この基本的性質から、ランダム性に起因する不確実性にどう対処すべきかがみえてくる。