2022年1月号掲載
大下流国家 「オワコン日本」の現在地
- 著者
- 出版社
- 発行日2021年10月30日
- 定価990円
- ページ数316ページ
※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。
※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。
著者紹介
概要
人口やGDPなど、あらゆる指標で停滞する日本。ある調査では、「すでに繁栄の時代は終わっている」と多くの人が回答した。一方では、社会に対する不満が減少し、中流意識が回復しているという意外なデータもある。ベストセラー『下流社会』の刊行から16年。最新調査をもとに、下流化が進む「日本の現在地」を徹底分析する。
要約
日本の繁栄は終わった?
2020年11月、25~54歳の男女2523人を対象に「日本人の意識と価値観調査」を行った。そこで「日本の繁栄はいつまで続くか」という質問をしたところ、次のような結果が得られた。
上記の通り、多くの国民が日本の繁栄の終焉を感じているのだ。
男女差はあまりなく、年齢別で見ると25~34歳の若年層では「すでに繁栄の時代は終わっている」は54%と少なめである。また、年収が高いほど繁栄時期が長く続くと考える傾向がややある。就業形態別では、公務員は繁栄時期が長く続くと考える傾向が強い。
「すでに繁栄の時代は終わっている」と答える人が明らかに少ないのは、自民党の支持者である。
逆に、自民党を支持しない人では、「すでに繁栄の時代は終わっている」が82%もある。
このように、国民の多数はすでに繁栄の時代は終わっており、繁栄が続いたとしてもせいぜいあと10年か20年だと思っている。日本全体が下流化したのだ。経済大国だった日本が「大下流国家」になろうとしているのである。
2100年に日本の人口は世界40位前後になる
悲観の主因は、日本の人口減少である。
国連の推計によると、2100年の日本の人口は7496万人で、世界36位(2020年は11位)。日本の国立社会保障・人口問題研究所の推計は、国連の推計よりも少ない5972万人で、それだと世界44位である。