2023年12月号掲載
アンガーマネジメント
- 著者
- 出版社
- 発行日2020年3月13日
- 定価990円
- ページ数231ページ
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著者紹介
概要
怒りとうまく付き合うための心理トレーニング、「アンガーマネジメント」。長年、その指導にあたる著者が、怒りについて説く。なぜキレるのか、怒りの「構造」から、怒りに流されないための「対処法」、怒りにくくなるための「体質改善」のスキルまでを披露。リーダーが怒りの感情をマネジメントできれば、職場の雰囲気は変わる!
要約
怒りはどこから来るのか
いつも社員がイライラしている、雰囲気がギスギスしている。そんな職場がないだろうか?
例えば、他の社員がいる前で、日常的に上司が部下を怒鳴りつけている…。こういった職場では、メンバーが怯えてしまい、新しいチャレンジに取り組む意欲がわかなくなる。
上司の在り方が、職場環境に多大な影響を及ぼす
私が、マネジメント層向けの研修でいつも伝えていることがある。それは「上層部の人たちが感情をマネジメントできているか否かは、職場環境に大きく影響する」ということだ。
権限を持つ人が自分の怒りの感情をマネジメントできないと、その怒りがどんどん下に流れてしまい、職場環境に大きな影響を与えてしまう。
だから、リーダー層の人ほど、アンガーマネジメントのスキルは必要だと伝えている。
怒りは自分が生み出した感情
怒りは、誰かのせい、何かのせいで生まれる感情ではない。私はよく、次のような相談を受ける。
「あの人のせいでイライラする」「部下がミスばかりするから腹が立つ」。また、「組織の制度がこうだから、私は不快な思いをしている」といった、外的な要因で怒りを感じている人も多い。
アンガーマネジメントでは「怒りは自分が生み出した感情」と考える。自分以外の要因のせいにしたままでは、アンガーマネジメントはできない。
怒りは周囲に伝染する
「情動伝染」という言葉がある。感情には、周囲に伝染する性質があるという意味だ。
例えば、一緒にいる人が「嬉しいです」「楽しいな」という感情を表現することで、雰囲気が明るくなった経験はないだろうか。それと同じように、怒りにも、誰かがイライラしていると、その感情が一緒にいる人に伝染するという性質がある。
さらに、怒りは「嬉しい」「楽しい」「悲しい」という感情よりエネルギーを持っているので、他の感情より伝染力が強いといわれている。そのため、扱い方や表現の仕方に気をつける必要がある。