2024年7月号掲載
AIドリブン経営 人を活かしてDXを加速する
- 著者
- 出版社
- 発行日2024年4月17日
- 定価2,200円
- ページ数269ページ
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著者紹介
概要
今、生成AIは世界中で注目されている。しかし、日本企業は、まだまだ十分に活用しきれていないのが現状だ。本書では、AIの強みと具体的な導入方法、そして企業変革の進め方を、DX(デジタルトランスフォーメーション)の“伝道者”と称される著者が平易に解説。これからの経営は、AIを中心に置く必要があると言う。
要約
After AI
2022年11月、生成AI「チャットGPT」が登場した。相前後して、AIは「文章を認識する/書く」「画像・映像を認識する/生成する」「判断/評価する」など次々と人間のような能力を獲得し、後発で優れたサービスが次々に登場している。
これにより、誰もがAIを使い、新たなツールを作ることができるようになった。
生成AIが多くの人の仕事を奪う
生成AIはマクロ経済へ莫大なインパクトを及ぼすと予想されている。ゴールドマン・サックスのレポートによると、仕事の3分の2は、AIによる自動化の波にさらされ、4分の1が生成AIで置き換えられる可能性があるとされている。
では、具体的にAIは業務にどう役立つのか。
ポイントはいくつかある。まずは、「情報検索の高速化」。チャットGPTなどの生成AIは、大量の情報を瞬時に検索し、関連する回答を提供できる。これにより、情報を検索する時間が大幅に短縮され、業務効率が向上する。
また、「クリエイティブ」。生成AIは、大量のデータから新しいアイデアや提案を導き出すことができる。これにより、イノベーションを促進し、競争力を高めることを支援する。
奪われる仕事は何か
ただし実際は、ほとんどの仕事はAIによる自動化の影響を「部分的にしか」受けない。AIによって丸ごと代替されるケースより、AIが仕事を補完してくれる方が大半である。
例えば、ホワイトカラーの業務のうち、「作業」や「提案」などの受動的業務はAIによって代替および補完が可能だ。繰り返し行われる定型的なパターンに従っているからである。
一方で、主体的に動かしていく必要のある「価値の定義や評価・交渉やコンサルティング・実行・洞察や発見」のような能動的業務は、AIによる代替が難しい傾向がある。これらの業務が人間の直感や感情、対人スキルを必要とするからだ。
従って、私たちは、受動的な業務と能動的な業務を区別し、受動的業務にはAIを活用し、能動的業務に注力していく必要がある。