2024年10月号掲載

データでわかる2030年 雇用の未来

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著者紹介

概要

今後、気候変動対策や循環型経済などが進めば、産業構造が劇的に変わる。その時、雇用はどうなるのか? 社会が抱える問題を踏まえ、これから先細りする雇用、生まれてくる雇用について語った。自動車産業の雇用は世界全体で600万人減る、農法研究などの雇用は430万人増える…。データを基に、近未来の社会の姿を示す。

要約

気候変動対策と未来の雇用

 私たちの社会は大きく行き詰まっている。出生率の低下、気候変動の問題、経済格差の拡大…。

 こうした状況を打破していくためには、それぞれの課題をバラバラに捉えるのではなく、課題間のつながりを理解することが重要だ。

「ウェディングケーキ・モデル」という考え方

 「ウェディングケーキ・モデル」と呼ばれる概念がある。これは、世の中の状況を、「経済層」「社会層」「環境層」の3つに分類し、そのつながりを表現したものだ。

 まず土台に環境層、真ん中に社会層、最上部に経済層が配置されている。そして全体が持続可能になるには、各層が安定的に発展する必要がある。

 しばしば私たちは、環境、社会、経済のうち、いずれかのみに焦点を当て、対策を検討しがちだ。

 例えば、「GDPを上げる」という経済層の課題に対処するため、企業の収益力を高めようと、人件費を削減したとする。すると、経済層の状況は一時的に改善するかもしれないが、人件費を削られたことで、消費や働くモチベーションを下落させてしまう。そうなれば、社会層の土台が揺らぎ、結果的にGDPは上がらない。

 こうして俯瞰して課題全体を理解し、対策を打つこと。今、世界でその必要性が認識されている。

気候変動対策はGDPを上げる?

 「環境層」が抱える課題の1つが、気候変動だ。気候変動は、人間が経済・社会活動を通じて排出している温室効果ガスによって引き起こされる。

 「社会層」では、産業革命により多くの人の仕事の内容が変化を余儀なくされる。これは、人間社会にとってマイナスの影響だろう。だが多角的に分析した結果、気候変動対策は社会層へのプラスの影響が大きいことがわかった。

 気候変動対策という環境層の改善は、「経済層」にもプラスの影響を与える。この点については、国際通貨基金(IMF)が分析結果を発表している。

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