2024年10月号掲載
世界のトップリーダーが話す1分前までに行っていること 口下手な人が伝わる人に変わる心理メソッド43
著者紹介
概要
話のうまさは才能ではない。必ず習得できる訓練可能なスキルだ! そう語るスピーチコンサルタントが、世界のトップリーダーが行う事前準備や話し方を説く。メインメッセージは「13文字」、話す場所までゆっくり歩く、沈黙を作る、等々。披露されるテクニックは具体的で、即、実践可能。プレゼンの際、大いに役立つだろう。
要約
トップリーダーの事前準備
世界のトップリーダーは、流暢に人前で話すことができる。なぜか。
それは、彼らが人前に立つ前に、入念な準備をしているからだ。例えば、アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、5分間のデモプレゼンを行うために、丸2日間のリハーサルを行っていた。
このような事前の準備と練習があってこそ、自然に堂々と人前で話せるのである。
人前で話す前に考える「3つの問い」
あなたがプレゼンテーションをすることになったとしよう。まずは何から始めるだろうか?
話す内容を考える、スライドを作成する、といったことも必要だが、もっと大切なことがある。それは、次の3つをよく「考える」ことである。
①目的は何か?
そもそも、そのプレゼンの目的は何か。プレゼン自体が目的だと、うまく話すことを目指してしまう。だが、自分が話したいことを一方的に話すだけでは「伝わる人」とはいえない。
「伝わる人」は、相手の立場にたって相手が知りたい情報を伝え、具体的行動を促す人だ。具体的行動とは、例えば企画提案であれば企画を通し予算をつける、といったことである。
人前で話す時は、まず目的を明確にする。そして、話が終わった時点で聞き手にどうなっていてほしいのか、具体的な行動指標を設定しよう。
②メインメッセージは何か?
トップリーダーは話を聞かせるだけでなく、その内容を相手の記憶に刻み込ませることができる。そのためには、最も伝えたい内容を「メインメッセージ」としてまとめる必要がある。
マーティン・ルーサー・キング牧師が人種差別の撤廃を呼びかけた名演説「I Have a Dream(私には夢がある)」が適例だ。多くの人はスピーチの全文ではなく、この言葉だけを記憶している。
聞き手が覚えられるためにも、メインメッセージは短くする必要がある。日本語の場合、目安は13文字(漢字かな交じり文)である。