1999年7月号掲載

ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則

Original Title :BUILT TO LAST

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著者紹介

概要

時の試練を乗り越えてきた、真に卓越した企業を、著者は「ビジョナリー・カンパニー」と命名する。そうした企業の中から3M、ウォルマート、ウォルト・ディズニーなど18社を選び、競合企業とどこに違いがあるのかを分析した。企業が永続する上で最も大切なもの。それは、カリスマ的な指導者や優れた製品アイデアなどではなく、「基本理念」であることが、徹底的な調査を基に解き明かされる。

要約

ビジョナリー・カンパニーの本質

 「ビジョナリー・カンパニー」とは何か?

 それは、ビジョンを持つ企業、未来志向(ビジョナリー)の企業、先見的(ビジョナリー)な企業であり、同業他社から広く尊敬を集める企業である。そのほとんどが業界の超一流企業であり、何十年もの間、その地位を保っている。

 では、これらの会社が他の会社に比べて、本質的に違う点は何か?

時を告げるのではなく、時計を作る

 太陽や星を見て、正確な日時を言える人がいたら、その驚くべき才能で尊敬を集めるだろう。

 しかし、その人が時を告げる代わりに、自分がこの世を去った後も、永遠に時を告げる時計を作ったとすれば、もっと尊敬を集めるのではないか。

 ビジョナリー・カンパニーの創業者は概して、「時を告げる」タイプではなく「時計を作る」タイプである。

 こうした時計を作るタイプの創業者にとって最も大切なのは、商品アイデアで大ヒットを飛ばしたりすることではない。「時を刻む時計を作る」こと、すなわち、組織を築くことである。

「素晴らしいアイデア」が出発点ではない

 先見性のある起業家が、素晴らしい製品のアイデアを武器に会社を設立する ―― 。

 例えば、メルクは化学品を輸入するだけの会社として始まった。P&Gはごく普通の石鹸とロウソクを製造する会社として、モトローラはラジオの整流器を修理する零細企業として始まっている。

究極の作品は会社

 また、早い時期に成功した企業も少ない。ビジョナリー・カンパニーは長距離レースで勝つカメであり、ウサギではないのだ。

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