2002年11月号掲載
プロカウンセラーの聞く技術
著者紹介
概要
日常生活でもビジネスにおいても、相手の話をよく「聞く」ことは非常に大切である。だが、多くの人は聞くよりも話す方が好きなため、ついつい「しゃべりすぎた」と反省する羽目に陥ってしまう。本書では、人の話を聞くプロであるカウンセラーが「聞く技術」を公開。「自分のことは話さない」「評論家にならない」など、「聞き上手」になるためのコツを伝授する。
要約
プロの「聞く技術」とは?
ほとんどの人は、聞くことよりも話す方が好きだ。「いや、私は話すのはどうも…」と言う人もいるが、そのような人でも、大部分は「大勢の前で話すのが苦手」なだけである。
「2人きりでも話すのは苦手」と言う人もいるかもしれないが、そういう人は、話す相手といい意味でも悪い意味でも緊張関係にあり、自分が話さないといけないと構えるから話しにくいだけだ。
どんなに話すのが苦手という人でも、リラックスして話ができ、聞き上手の人が相手だと、立て板に水のごとくしゃべれるものである。
一方、聞くことは多くの人が苦手である。それはなぜなのか?
人の話を聞くのは、ラジオ番組などを聞くのと違って、相手の気持ちを理解しなければならないという「負担」が、聞き手にかかるからだ。
従って、「聞き上手」になるには、相手の気持ちを負担に感じないようにならなければならない。具体的には、次のような「聞く技術」を身につける必要がある。
聞き上手は話さない
聞き上手になりたければ、まず自分からは話さないことである。相手の前でゆったり構えていれば、まず間違いなく、相手の方から口を開く。あなたは素直にそれを聞くだけでよい。そうすると会話のパターンは、相手が話し、こちらが聞くという相手主導のものになる。
相づちを打つ以外はしゃべらず、意見を聞かれた時は手短に答える。答えがすぐに出てこない時は、「そうですね」と言って考えていればいい。しばらくすると、相手の方が何か言ってくるはずだ。
相づちを打つ
プロの聞き手であるカウンセラーは、相手の話を聞く時には自分の意見は決して言わず、相手の気持ちを肯定しながら聞く。
その際、重要なのが「相づち」である。相づちを挟みつつ聞くと、相手はぐっと話しやすくなる。
ただその相づちも、ワンパターンでは駄目だ。種類が豊富でないといけない。