2005年4月号掲載
営業を営業にまかせるな 営業超改造プログラム
著者紹介
概要
営業マンといえば「根性論」という感覚が、あなたの会社に染みついてはいないだろうか。そうだとしたら、会社の先行きは限りなく暗い。なぜならそれは、「市場右肩上がり時代の成長神話」に縛られ続けていることを意味するからだ。本書は、そういった従来の営業の常識とは決別せよと提唱、新しい時代に向け、「売りの仕組み」を作る方法を伝授する。
要約
あなたの会社は間違っている!
我々は、今までの営業のやり方に決別し、ここに正々堂々敗北することを宣言します ── 。
この「営業敗北宣言」から全てが始まる。なぜなら、市場右肩上がり時代の営業は、もう通用しないからである。
ところが、この点に全く気づかず、相変わらず精神論だけで営業の尻を叩く企業は多い。これでは、行く手には敗北があるだけだ。この状態から抜け出すには、新しい営業に作り直すしかない。
まず必要なのは、「経営とは顧客がいて成り立つ」という基本原則に立ち返ることである。
しかし経営者は、「顧客はいるものだ」と思い込んでいる。市場右肩上がりの成長神話の世界に閉じ込められてしまっているからだ。
現実には、顧客は勝ち取るものであり、油断すれば離れていくものである。常に顧客は仕入れ先の見直しを進めている、と認識すべきだ。
従ってもう一度、「顧客に対して何ができるか」を考え直す必要がある。そしてその先兵になるのが、顧客と直に接している営業だ。
ところが、ここに大きな問題がある。その営業こそが、顧客の変化に最も鈍感なのだ。計画達成率に目を奪われて、現状の顧客注文のことしか考えていないからである。
また、「商品開発は開発部門が担当すればよく、営業がすることではない」という誤った考えが根強く残っている。これでは、会社の将来はない。
これからは、顧客を次の2つのキーワードで見ていく必要がある。
①顧客から注文を取る→現在の飯の種を確保する
②顧客の変化をつかむ→将来の飯の種を確保する(商品開発と直結・現状ではほとんど関心外)
この②「将来の飯の種」を育てる仕組みを、営業部内に作っておくことが欠かせない。つまり、「顧客の変化」の情報をつかむことが営業の重要な役割であるという認識を、徹底させる必要がある。