2005年6月号掲載
宇宙の根っこにつながる瞑想法 改訂版
著者紹介
概要
かつてソニーの“猛烈企業戦士”だった著者は、瞑想を始めてから価値観が一変したという。まず、猛烈企業戦士であることに意義を見いだせなくなった。一方で、それまでの切迫感がなくなり、自分の周りの時間が快く流れるようになった ―― 。そんな経験をもとに瞑想の効用と実践法を解説。ストレスを解消し、自分の本当の生き方を取り戻す一助となる1冊だ。
要約
瞑想とは何か?
瞑想とは何か —— これは、「人生とは何か」という問いと同じで、きちんと定義できる人は恐らく世界中に1人もいないだろう。
瞑想については、どれほどたくさんの本を読んでもその真髄はわからず、どれほど素晴らしい定義に接しても実効は上がらない。ただひたすら実践する以外にないのである。
瞑想というと、姿勢を正して座り、目を閉じて呼吸を調えるというイメージがある。だが、それはたくさんある瞑想法のほんの一部にすぎない。
気功法や自律訓練法、呼吸法、ヨーガなども瞑想の一種である。その方法は、瞑想をする人や状況に応じて、それこそ星の数ほどあるのだ。
瞑想には、どの方法が最も優れているといったことは一切ない。その時の自分にとって心地いい方法を実践すればよいのである。
ともあれ、瞑想には次の5つの効用がある。
① 休息
瞑想には、疲れた時に身体を休め、心をくつろがせる効果がある。その効果は大きく、例えば30分瞑想するなら、その数倍の時間睡眠をとったのと同等の休息が得られるという。
② 自己治癒
瞑想の心得があれば、体調が悪かったり、精神的に落ち込んだりしている時も、薬に頼らないで自らを癒すことができる。
③ 自己発見
これは「本当の自分を探る」という意味である。
例えば、瞑想中には様々な思いや感覚が浮かぶが、それらを味わうことによって、それまで目を逸らしてきた心の闇や傷に気づくことができる。
すると、無意識のうちに自分を駆り立ててきた衝動を把握できるので、それに振り回されずに、意識的に対処できる可能性が広がる。