2006年5月号掲載

負け犬はなぜ早死になのか

負け犬はなぜ早死になのか ネット書店で購入
閉じる

ネット書店へのリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。

※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

『負け犬の遠吠え』(酒井順子著/講談社刊)という本が売れ、女優の杉田かおるの結婚・離婚騒動が話題になったことで、「負け犬」という言葉が世間に定着した。また、ビジネス界では「負け組」という言葉をよく耳にする。そうした負け犬(組)はなぜ早死になのか、データをもとに明らかにし、様々な格差に悩む人がどうすれば健康に、幸せになれるかを説く。

要約

「負け犬」は早死にか?

 今の日本では、未婚で子供を生まない女性、あるいは既婚でも子供を持たない女性は、社会にとって有害な存在であるかのように思われている。

 その最も大きな原因は少子化である。

 森喜朗前総理は「子供を生まない女性には年金を支給すべきではない」などと発言し、物議を醸した。つまり、未婚の女性、子供を生まない女性に、目に見えない形で圧力を加えようとする動きが始まったのだ。

 日本では、この未婚の女性の死亡率が、夫がいる女性の死亡率と比べると圧倒的に高い。

 では、若い女性の死亡原因は何か?

 20〜24歳では、50%以上を自殺と不慮の事故が占めており、35〜39歳でも両者の和は20%以上に上る。つまり、若い女性は、病気以外の原因で死ぬ率が高いということになる。

 自殺者の有配偶、未婚別の数を調べると、20歳代では圧倒的に未婚者の自殺者数が高くなっている。2000年の調査では、未婚女性の自殺者は有配偶女性の自殺者の5倍以上である。

 さらに、未婚者は年齢が増すに従って、既婚者に比べ自殺率が高まる。また、不慮の事故の率も、未婚者の方が有配偶者より多いと思われる。

 そしてこのことは、未婚者がうつ病になる可能性が非常に高いことを示している。

 うつな気分、心を痛める感情は、我々が経験する出来事そのものではなく、出来事をいかに解釈するかにより生まれる。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

良心をもたない人たちへの対処法

マーサ・スタウト 草思社

スマホ脳

アンデシュ・ハンセン 新潮社(新潮新書)

ウイルス学者の責任

宮沢孝幸 PHP研究所(PHP新書)

未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと

奥 真也 講談社(講談社現代新書)