2006年12月号掲載
一倉定の経営心得
- 著者
- 出版社
- 発行日1999年6月14日
- 定価3,630円
- ページ数227ページ
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著者紹介
概要
故・一倉定氏は、“お客様第一主義と現場実践主義”を標榜し、社長だけを指導した経営コンサルタントである。社長と共に悩みながら対応策を考え、数多くの高収益会社を育てた。本書は、その“社長の教祖”ともいうべき氏が遺した数々の著作の中から、「社長がなすべきこと」を抜粋し、掲載したもの。その経験に裏打ちされた言葉は、いずれも端的にして味わい深い。
要約
社長は何をなすべきか?
経営指導歴35年、あらゆる業種・業態に精通し、わが国における経営コンサルタントの第一人者として5000余社を指導した、一倉定氏。
その著書には、「社長は何をなすべきか」が、様々な角度から明示されている。例えば ——
事業活動の本質
・会社の真の支配者は、お客様である
会社というものは、その会社の商品がお客様に売れて、初めて経営が成り立つ。だが世の中には、お客様を無視し、無視しないまでも第二義的にしか考えない、という会社が多すぎる。
自社の技術を第一に考える。社員の管理が最も大切だと思い込んでいる。能率とコストと品質だけで経営がうまくいくと信じている…。
それらの会社の業績は、決して芳しいものではない。会社の収益はお客様によって得られるのであり、そのお客様は、自分の要求に合わない商品は買わない。たとえ一度は買っても、二度と買おうとはしないのだ。
直接目に見えないお客様こそ、会社の本当の支配者である、という当たり前でしかも基本的な認識なしに、経営はできない。
・事業経営とは、変転する市場と顧客の要求を見極め、これに合わせてわが社をつくりかえることである
事業とは「市場活動」である。市場には、お客様と競合会社が存在する。競合会社とお客様を奪い合うのが、事業なのである。
市場の変化は目まぐるしい。お客様の要求はドンドン変わっていく。そのために、事業や商品は、市場とお客様の要求に合わなくなる。過去において、優れた収益を上げた商品が、次第に、ある場合には急速に収益力を失っていく。
当然、それらの変化に対応できなければ、企業は破綻してしまう。
・わが社の赤字は、お客様を忘れたのが原因である
会社の業績が振るわない根本原因は、社長がお客様の要求を無視していることである。お客様の要求を無視している限り、何をどのようにやっても、会社の業績は絶対に良くならない。
経営が不振であったり、行き詰まってしまったならば、まず第一に「お客様を無視していないか」ということを反省してみなければならない。