2009年6月号掲載
ビジネスで失敗する人の10の法則
Original Title :The Ten Commandments for Business Failure
- 著者
- 出版社
- 発行日2009年4月20日
- 定価1,760円
- ページ数220ページ
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著者紹介
概要
成功の法則を説く本は多い。だが、コカ・コーラ社の元社長である著者は言う。ビジネスのようにダイナミックで変化が激しい分野で、成功の法則など導くことはできない、と。そして、60年以上のビジネス経験から導き出した「失敗の法則」 ―― 経営者が陥りがちな普遍的な間違いを、実例を交え紹介する。経済・社会の先行きが不透明な今こそ読みたい、戒めの書。
要約
事業を失敗に導く10の法則
ビジネスのように変化が激しい分野では、普遍的な成功の法則を見つけ出すのは難しい。
だが、どうすれば失敗するかなら明らかであり、それは、次の「10の法則」にまとめることができる。このうち1つでも当てはまるなら、あなたの仕事が失敗する確率は極めて高い。
失敗の法則① リスクをとるのを止める
起業家が金を借り、新事業を起こすことは、リスクをとることの中でも最も難しい種類のものだ。
しかし、それと同じくらい難しいことがある。それは、成功している時にリスクをとることだ。
ロバート・ウッドラフは、コカ・コーラ社の現在の繁栄をもたらした第2の創業者である。
1930年当時、コカ・コーラ社は十分成功していたが、彼は国際市場をさらに開拓したいと考えた。だが、取締役会はそのような冒険に乗り出すには時期が悪いと判断した。29年の株式市場大暴落から、まだ1年もたっていなかったからだ。
そこで、ウッドラフは個人の立場でリスクをとった。取締役会の承認を受けることなく、コカ・コーラ・エクスポート社を設立したのである。
この思い切った決断がなければ、コカ・コーラ社は今どうなっていただろう。世界200カ国以上で事業を展開していることはなかったはずだ。
現状に満足していると、リスクをとりたくなくなる。そうなれば、失敗はほとんど避け難い。
失敗の法則② 柔軟性をなくす
1939年、ペプシコーラ社は、こんな素晴らしいコピーを作った。「同じ5セント、量は倍」。そして、従来の倍の12オンス(約360ミリリットル)の瓶でペプシを売るようになった。
同じ値段で倍の量が飲めるのでペプシの人気は高まった。だが、コカ・コーラ社は動かなかった。